街の農薬汚染にもどる
t17806#由利本荘市で、衛生害虫駆除の薬剤を違法な小分けで配布#06-06
4月、秋田県由利本荘市で、市が町内会に配布した殺虫剤及び殺菌剤が、一部で飲料容器に小分けして配られたことがわかりました。同市に問い合わせたところ以下のような事実がわかりました。
★ダイアジノン・DDVP剤ほか65缶を配布
市が配布したのは、防疫用ウジ殺しのフマゾール(オルトジクロロベンゼン72%とクレゾール8%含有、18kg)15缶と殺虫剤ノックダウン乳剤K(ダイアジノン3%とDDVP2%含有、18L)50缶で、希望する町内会が市の窓口へきて、一升瓶やペットボトルなど持参容器に移して持ち帰ったということですが、薬剤散布は、同市合併前の旧本荘地区のみで実施していたようです。町内会は、さらに、180cc程度の戸別配布を行いましたが、一部で、飲料容器にいれたのを配ったことが問題となりました。
このような、小分け特に飲料容器にいれることは、誤飲の危険性が高いので、止めるよう指導されています。市は、薬剤石油缶に記載のある使用上の注意を周知徹底することなく、漫然と配布していますから、万一事故が起こった場合、その責任を厳しく追及される立場にあることは、いうまでもありません。
今回の配布で、市は薬剤を約100万円で購入しており、『長年の慣行とはいえ、法の理解と充分な配慮が足りなかったことを反省』し、来年度から配布を止めると答えています。
★厚労省の通知は
私たちは、このような薬剤配布が、今なお、行政主導で実施されていることに、驚きを禁じえませんでした。厚労省には、配布を止めるよう厳しい指導を求めました。
その結果、5月23日に事務連絡「殺虫剤の配布について」として、由利本荘市の問題を報道した新聞記事のコピーを添付した、以下の簡単な通知がだされただけでした。
『 医薬品の取扱いに関する監視指導については、かねて御高配をいただいているところですが、今般、環境衛生活動のため、町内会等が殺虫剤を小分けし、市民等に対して配布する事例が認められたところです。かかる行為は、薬事法上の違反であり、保健衛生上の危害の発生のおそれがありませすので、貴管内及び貴都道府県の関係部局に対して周知徹底を図るとともに適切な指導を賜りたく、お願いいたします。』
★岡山市では、紙パック入りで配布
岡山市のホームページを調べたところ、こんな例もありました。
生活衛生のページに、防疫用殺虫剤をお渡ししています(1.8リットル紙容器入り乳剤)と大書きしてあり、容器の写真と、赤地に『殺虫剤 食べられません』と書かれたロゴが添付されています(紙容器そのものに、こんなロゴがあるかどうか不明)。
また、【外観は酒パックのようですが、殺虫剤ですので誤って口にすることのないようにご注意ください。台所などの食品と同じ保管個所には決して置かないでください】ともありました。製品は、ユーコースミチオン10FLで、水性懸濁型(フロアブルタイプ)、有効成分:フェニトロチオン10%だそうです。
同HPには、『防疫用殺虫剤は町内会大掃除の際などに,一斉にご使用いただくため,希望される町内会等へお渡しするものです。町内会の倉庫などに鍵を掛けて厳重に管理してください。』とあり、小分けの注意が掲載されているものの、毒性については、『万一,誤って殺虫剤を飲み込んだ場合や,使用中に,頭痛,目や喉の痛み,吐気,気分が悪くなった場合等は,直ちに医師の診療を受けてください。』とあるだけです。
下水道が整備され、衛生状態が改善されているにもかかわらず、まさに、長年の慣行として、このような薬剤が配布されることをやめさせねばなりません。
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作成:2006-09-26