街の農薬汚染にもどる
t18005#学校での農薬使用について#06-08
 学校関連の農薬使用を3件とりあげました。児童・生徒の健康への影響も考慮し、積極的に脱農薬の方向へもっていってほしいものです。

★新潟市は、使用実態調査に動く
 記事t17905で紹介したように、新潟市松浜小学校で、児童の農薬被曝事故がありましたが、市の教育委員会に質問と要望をだしました。
小中学校での農薬散布状況については、データがないので、調査をし、結果を知らせるとのことでした。住宅地通知については、03年12月に、学校に送付した上、農薬や除草剤等を使用する場合は、児童生徒に被害が及ばないよう十分留意するよう通知を出しているとの答えで、ポジティブリスト制度施行もあり、再度、各学校に周知したいとありました。

★松阪市における農薬使用指針はあるが
 三重県松阪市では、「公共施設における農薬使用指針指針」(92年5月施行、最新改訂06年4月)があり、小中学校ごとに農薬の使用計画と実施報告(使用場所、実施日、使用対象、農薬名、原液及び希釈液使用量等)、水質検査結果を環境部環境課に報告することになっています。
 指針には『農薬の安全使用に係る適切な措置を講じることにより、施設からの農薬による公共用水域、水道水源の水質汚濁を未然に防止することを目的とする。』とあります。
 子どもたちの農薬受動被曝には触れていませんが、使用指針には『誘殺、塗布など散布以外の方法を検討し、やむ得ず散布する場合であっても、最小限の区域における農薬散布に努め、使用回数及び量の削減に努めること。』など住宅地通知に沿った指示がなされており、『業者等に委託する場合は担当職員が立会い、農薬並びに使用状況を確認するものとする。』との項もあります。
 昨年、使用計画になかった除草剤を散布して、保護者からクレームがつけられた学校もあったそうで、改めて、指針の周知徹底を通達するとのことです。

★新城市では児童が農薬散布体験
 会員から、愛知県新城市の広報「ほのか」8月号に、小学生が農薬を散布している写真がでているという報告がきました。早速、海老小学校のHPで確認して、同小学校に問い合わせてみました。
 学校長からの返事では『私どもの学校は、全校29名の山間の小さな学校であります。学区の産業としては、梅栽培が特筆すべきもので、また、梅の花の季節には、多くの観光客が訪れます。梅干や梅ジャム、梅エキス等、梅を材料とした食品が主な産物であります。br>  地域の人々も「おらが学校」という意識が強く、学校は、地域とともに、子どもたちを温かく見守り育てております。』とあり、農家の梅栽培の苦労を体感させるための学習活動の一環として位置づけ、梅栽培を30年程続けている地域ボランティアの指導のもと、5・6年生10名がひとり30秒程度殺菌剤バイコラール水和剤(ビテルタノール)を体験散布したということでした。今後については、『子どもたちの安全のためにも、来年度からは、子どもの消毒・農薬散布活動は中止し、無農薬の中で剪定や補虫等による栽培を心がけていきたいと思います。』とされていました。
 梅の栽培を通し、小学生たちが、農業のあり方や、収穫・加工について、学ぶことは、都会の学校ではできないことで、意義あることですが、それを、即、農薬散布に結びつけず、アブラムシが発生すれば、捕食するてんとう虫がでてくる様子の観察、光るものに弱いその習性を生かした防除方法の実験もできます。そんな教育の在り方も問われる一件でした。

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作成:2006-11-26