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t18403#室内殺虫剤散布のIPM施工の通知を早急に−厚労省への要望と回答#06-12
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 本誌182号で報告していますが、室内殺虫剤散布をIPM(総合的有害生物管理)施工にして、できるだけ殺虫剤使用を減らすための勉強会を開きました。ここで説明された「建築物におけるねずみ・害虫駆除等の対策に関する研究」(厚生労働科学研究費補助金健康科学総合研究事業)を早急に広く知らせ、ゴキブリなどの駆除事業をIPMにシフトさせるよう11月10日に厚労省に要望しました。
 これに対して、11月30日付でメールで回答がきましたが、差出人名もなく、内容もないものでした。以下に私たちの要望内容と厚労省の回答を掲載します。なお、上記の研究内容は下記DBから検索出来ます。
 【参考資料】厚生労働科学研究成果データベースより、”田中生男”で検索すると『建築物におけるねずみ・害虫等の対策に関する研究』がでます。

★要望内容と厚労省の回答
            −前文略−
【要望1】厚生労働科学研究費補助金事業「建築物におけるねずみ・害虫等の対策に関する研究」の総合研究報告書がでたこと、及びその内容を都道府県の担当部署に知らせてください。なお、建築物衛生法だけでなく、衛生害虫駆除を規定する他の法律・基準等を所管する、すべての担当部署に情報が届くよう、各省庁の担当課にも依頼してください。
【回答】自治体職員向けの研修会等において、本研究の紹介を行っております。
【コメント】
 早急に、すべての担当部署に届くようにと要望しているのに、自治体職員向けの研修会で知らせるだけとしています。これではせっかくの補助金でなされた研究が生かされません。厚労省のホームページに載っていることを担当者に知らせてほしいと思います。

【要望2】早急に、IPM施工に変えるよう通知を出して下さい。その際、平成15年農水省通知と同様に、@発生予防の重視、A物理的防除の重視、B薬剤使用の場合、散布以外の方法の優先検討、Cやむを得ず散布する場合の最小限度の散布、D施設利用者への周知徹底と健康被害防止のための最大限の配慮等の内容を盛り込んで下さい。また、通知の内容についても、衛生害虫駆除を規定する法律等を所管するすべての省庁の担当課に情報提供してください。
【回答】IPMの基本的な考え方については、平成14年以降、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則及び告示「空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準」等に導入しております。
【コメント】
 「技術上の基準」には、ねずみ等の発生場所、生息場所、侵入経路などを調査し、適切な方法で防除することなどが書かれていますが、まだ具体的ではありません。トラップにゴキブリが何匹かかったらどうするのか、わからないからこそ上記の研究がなされたわけで、その内容を周知すべきと思います。厚労省もその辺は理解しているものと思われますが、早急な通知が必要です。

【要望3】施設利用者への周知徹底については、地域によって格差が生じぬよう、周知の方法など、できる限り、具体的な方法や基準を示してください。なお、農薬散布については、農水省の委託により(社)緑の安全推進協会が作成した、「人の健康や環境へのリスクを低減した樹木等の病害虫防除に関する手引き」に具体的な周知例が記載されていますので参考にして下さい。
【回答】具体的方法等については、同告示に記載しております。なお、(社)日本ペストコントロール協会等の関係団体から、IPMに関する手引きが発行されております。
  【コメント】
 告示には散布前後の周知はもちろん、防除方法も具体的に触れられておりません。やはり、通知を出して周知方法も示す必要があると思われます。また、紹介されたPCOのホームページには、出版案内の欄に手引きの宣伝があるだけでIPMの中味はありません。

【要望4】厚労省内部での通知発出に向けての現在の作業の進ちょく状況をお知らせ下さい。
【回答】IPMの普及啓発については、引き続き推進していく所存です。


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作成:2007-04-28 http://www.pestcontrol.or.jp/association/publication.html