空中散布・松枯れにもどる
t22803#無人ヘリによる農薬散布は飛行禁止区域を決めるべきだ#10-08
【関連記事】、、記事t22801、記事t22802
【参考サイト】農水省:農林水産航空事業実施ガイドライン
日本ラジコン電波安全協会:Top Pageと電波法、安全運用と河川敷占用許可
日本産業用無人航空機協会:Top Pagと安全基準
農薬散布の無人ヘリコプターや、ホビー用のラジコンヘリなどに法的規制はあるのでしょうか。たとえば、口蹄疫が発生したときに、農地でないところに、無人ヘリで酢を撒いたという情報がありました。こういうのはどこかに許可を得たりするのかと思いましたが、どこへ聞いても何もないようです。ということは、無人ヘリで何を、どこに撒いても規制するところはないということです。
航空機の飛行の安全や飛行に起因する障害の防止などを目的としている「航空法」がありますが、この法律の「航空機」は人が乗れるものしか対象になっていません。ですから、国交省は無人ヘリの事故を調査できません。
★規制は電波法のみ
唯一、ラジコンの規制であるのは、使用する電波の周波数を割り当てている「電波法」だけです。これも、電波が混信するのを防ぐために、どの周波数を使うかを定めているだけです。(ちなみに、ホビー用ラジコンと農薬用無人ヘリの周波数は別のものになっています。)
ということは、周波数さえ守れば、ホビー用、農薬用にかかわらず、どこで飛ばしてもいいことになります。さすがに、それではあんまりだということで、ホビー用ラジコン、農薬用無人ヘリに関しては、それぞれ、自己規制又は行政指導がされています。
農薬散布の無人ヘリに関しては、農水省農蚕園芸局長通知「無人ヘリコプター利用技術指導指針」(1991年発出最終改訂2008年7月)が、松枯れでは林野庁長官の「無人ヘリコプターによる松くい虫防除の実施に関する運用基準」(2007年3月)があります。
ホビー用ラジコンヘリや飛行機については、財団法人日本ラジコン電波安全協会が「安全操縦の心得」として注意事項を決めています。
ホビー用ラジコンでも死亡事故が起こっており、協会は愛好者に是非とも安全対策を守ってほしいと訴えています。
その中に、飛行は、人家、学校、病院その他の建造物、鉄道線路、道路等、一般の飛行場及び飛行管制空域、送・配電線、発・変電所等から十分に離れた場所で行わなければならないなど細々書かれています。
ホビー用ラジコンヘリは河川敷など許可されたところでしかできません。
★農薬散布は農地ならどこでもOK
しかるに、農薬用無人ヘリは、住宅地周辺であろうが、学校周辺であろうが農地であればお構いなしです。指導指針にはせいぜい散布場所に事前周知するという努力規定があるだけです。
高濃度の農薬の無人ヘリ散布で、周辺住民に健康被害がでるため、いままで、私たちは、住宅地からどれだけ離れるべきかという規制を農薬の飛散・大気汚染の観点から主張してきました。しかし、ホビー用が厳しい自主規制で飛行場所を決めているのに、住宅すれすれの場所や障害物のある場所で、無人ヘリの飛行自体が許されているのがおかしいのです。
事故が起こっても、届出義務さえありません。少なくとも、農薬用無人ヘリの飛行禁止空域を決めるべきです。
購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、
注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。
作成:2010-08-27