農薬空中散布・松枯れにもどる

t23804#とちぎ海浜自然の家の松枯れ農薬散布〜空散は中止したが、クロチアニジン剤を地上散布#11-06
【関連記事】記事t23703
【参考サイト】とちぎ海浜自然の家と指定管理者とちぎ未来づくり財団にある自然の家
  栃木県教育委員会:当グループの要望と栃木県からの回答

 記事t23703で述べたように、茨城県鉾田市玉田浜にある栃木県の施設「とちぎ海浜自然の家」の松林5.2haについては、私たちの要望に応じて、有人ヘリによるスミパインMCの空中散布は中止になりましたが、かわりにモリエートSC(クロチアニジン30%含有水和剤)の地上散布が計画されました。私たちは地上散布も止めるよう求めましたが、6月20日に茨城県森林組合連合会が動力噴霧器で散布するとの返事が来ました。当日及びその後の3日間は施設の利用者がないというのが、所管の県教育委員会の言い訳です。なお、施設から200m離れた南と北側の隣接松林を管理する茨城県は、空散を止めない方針です。

★散布中止の功労者は長野県?
 ところで、この自然の家での空中散布が中止になったのは、長野県のパブコメがきっかけです。
 同県の松枯れ農薬空中散布に関する中間報告案に、空中散布の効果の事例として、茨城県旭村の写真がでていました。これに疑問を感じた反農薬東京グループは、旭村が現在どうなっているかを林野庁に尋ね、同村が鉾田市となっており、問題地域には、栃木県の自然の家施設が建設されていることをつきとめました。
 インターネットで調べると、管理するのは栃木県教育委員会であることがわかりました。また、ネットでグーグル航空写真図をみると、自然の家の海側には、松林が連なっています。東日本大震災の影響は受けなかったか、自然の家に聞くと、津波被害はなかったとのこと。さらに、空散状況を聞き、なんどか、茨城県及び栃木県と交渉するなかで、当初、この松林の空散実施主体は茨城県だと思っていたのですが、実は、土地所有者の栃木県が実施主体であることがわかりました。
 そこで、同県知事や教育委員会生涯学習課、指定管理者「とちぎ未来づくり財団」に空中散布中止を求めたわけです。

★松枯れ問題を教育の課題にすべき  農薬散布を止めるのはもちろんですが、今後については、教育委員会に以下の申し入れをしています。
 『今後、空散を中止した上で松林の枯死問題を、児童をはじめとする、青少年らの生涯教育の課題のひとつとして、とりあげてください。
 松を枯らさないための農薬散布で、マダラカミキリ以外に多くの昆虫が殺される実態を知り、利用者すべてが、松枯れ問題を考える契機になればと思います。
 地域の人が松林の手入れをすることで、農薬を使用せずに管理して行こうとの動きが全国各地でみられます。
 また、松の生育に必要な菌根菌の生育状況、松の枯死に関連するといわれているマ ツノザイセンチュウやマツノマダラカミキリの生育状況など、生態系の学習にはことかきません。耐性松や他の樹種への転換も研究材料として役立つと思います。』
 回答は、『松林の枯死問題について、環境教育の観点から必要に応じて研修や活動プログラムの中に取り入れることを、検討したいと考えています。』とのことでした。

購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。
作成:2011-08-30