街の農薬汚染にもどる

t24004#震災被災地での殺虫剤散布は慎重に〜関係団体に質問と要望#11-08

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 東日本大震災から5ヶ月余り経ちますが、被災地では次々難題が降りかかっています。
 その一つにハエなどの衛生害虫の大量発生があります。私たちは、震災発生直後に、化学物質による二次被害防止のための緊急要望として、安易に殺虫剤等を使用しないことを関係省庁に求めました(記事t23501参照)。
 環境省は、6月17日に「東日本大震災の災害廃棄物に起因する害虫及び悪臭への対策について(お知らせ)」を発表し、日本ペストコントロール協会(PCO協会)日本環境衛生センターにおい・かおり環境協会の三箇所を相談窓口として紹介しました。しかし、PCO協会は殺虫剤で害虫駆除している業者の団体であり、安易に散布されると被災者をますます苦しめることになります。
 7月15日には、自衛隊を出動させると防衛大臣が表明し、第6師団(山形県東根市)と第9師団(青森市)から15人1組の「防疫支援隊」を10個編成し、車両からの殺虫剤散布や、隊員が路地で駆除作業を行うと報道されました。
 8月3日の読売新聞は「7月中旬、岩手県大船渡市の工場地帯で、全国から派遣された業者による駆除作業が始まった」「午前中だけで約2トンの殺虫剤を散布。(業者は)『こんなに大量の薬を使ったのは数十年ぶり』と驚く。」などと伝えています。
 また、住友化学は、7月に「スミチオン乳剤」「スミラブ粒剤」等を被災自治体に無償で提供、および、「タフガードネット」の避難所等へ設置支援すると発表しています。これでは、被災地は殺虫剤まみれになるのではないかと心配になり、環境省、厚労省、内閣府、防衛省、住友化学へ質問と要望を出しました。

 環境省、厚労省、内閣府、防衛省:被災地域での殺虫剤・殺菌剤等の安易な散布はやめてください
 住友化学:東日本大震災の被災地への殺虫剤等の無償提供についての質問と要望
 住化エンビロサイエンス:タフガードネットについて
注:
 「タフガードネット」は。住友化学が開発製造しているマラリア対策用の蚊帳「オリセ
  ットネット」と類似製品。
 宮城県の対応マニュアルには、ハエ、蚊幼虫に効く成分としてオルソジクロロベンゼン、
 フェニトロチオン、フェンチオン、ダイアジノン、トリクロロホン、プロペタンホス、
 エトフェンプロックス、ピリプロキシフェン、メトプレン、ジフルベンズロンなどがあ
 げられている。

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作成:2011-08-30