空中散布・松枯れにもどる
t24602#長野県の2011年の無人ヘリコプター農薬空中散布面積は前年とほぼ同じ5485ha#12-02
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【参考サイト】長野県:農薬の空中散布検討連絡会議の頁
長野県は、昨年5月末、無人ヘリコプターによる農薬空中散布について、水田等での有機リン剤の使用自粛などの方針を公表しました。その後、7月末までの空散実施状況では、有機リン系のMEP(スミチオンなど)の散布はなくなりましたが、ジノテフランなどネオニコチノイド系の散布面積は増えていました(本誌241号参照)。今号では、12月に長野県へ問い合わせた11年11月末までの無人ヘリ空散状況を報告します。
★実施団体の届出は51件
記事t24607にあるように、農薬取締法では、無人ヘリによる空中散布計画の届けは不用ですが、長野県では、「県無人ヘリコプター利用空中散布等作業指導要領」により、実施計画を届出ることになっており、その件数は表1に示すように、11年は前年より5件増加しています。
表1 実施主体別空中散布届出件数
区分 2010年度 2011年度
市町村関係 4 3
農業協同組合等組合 19 21
任意団体(協議会等) 9 10
個人 6 8
散布作業受託者 1 1
農事組合法人・営農組合等 5 6
ゴルフ場 1 0
一般法人 1 2
届出件数計 46 51
★農薬散布面積は前年とほぼ同じ
作物別の散布面積は表2のようで、2011年は長野県調べで、面積には肥料散布など234.6haが入っており、農薬散布に限れば合計は5484.7haとなります。2010年は農水省調べで、農薬散布のみの面積です(その他にはマツと農薬以外を含む)。従って、農薬散布面積は、2010年と2011年ではほぼ同じだということになります。有機リン剤の無人ヘリ自粛要請で、大幅に散布面積が減った群馬県とは大違いです。
表2 作物別散布面積(単位:ha)
散布対象 2010年面積 2011年面積
水稲防除 4,894 5,007.4
麦類防除 102 117.3
大豆防除 457 568.6
まつ 26.0
その他 41
合計 5,494 5,719.3
★農薬別ではジノテフラン系スタークルが前年2.5倍に
長野県では、有機リン剤MEPの散布はなくなりましたが、代わりにネオニコチノイド系殺虫剤ジノテフラン製剤の散布面積が前年より2.5倍増え、複合剤ビームエイトスタークルゾルや単剤スタークル液剤10などの合計で3800haを超えています。他にも、ピレスロイド系殺虫剤のエトフェンプロックス(トレボンエアー)の散布がみられます。住宅地に近い水田などで、神経毒性のある農薬の無人ヘリによる高濃度空中散布を何の規制もなく、このまま続けることは許せません。
なお、長野県では、11年には、無人ヘリ事故の報告はなかったとのことです。
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作成:2012-04-26