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t24704#街中の殺虫剤使用規制に役立たない厚労省の薬事指導#12-03
【関連記事】記事24406記事t24903
【参考サイト】 アース製薬パボナバポナ虫除けネットWバポナ 自動スプレーW 玄関用

 記事t24703のように、伊豆の国市では、有機リン系DDVP製剤が使われていますが、記事t24307に掲載したのは、DDVPのプレート剤による健康被害でした。これを受け、12月に厚労省へDDVPプレート剤に関する要望を送りました。要望と同省の回答要旨を示すとともに、11年12月に発出の局長通知「殺虫剤等を配布等する行為について」を紹介します。
【要望1】DDVPプレート剤は、居室や飲食する場所及び飲食物が露出している場所では使
  用しないこととされているが、この規定が遵守されないこともあり、さらにはトイレ
  など不特定多数の人が出入りする個所での使用規制がない。このような薬剤を衛生害
  虫用の一般医薬品として、製造・販売・使用することを禁止されたい。
(回答)2004年11月に「居室や飲食する場所及び飲食物が露出している場所では使用しな
  いこと」としています。このことが遵守されるよう、関係業者等を指導していきます。
(コメント)プレート剤の販売・使用の禁止を求めているのですが、適正使用の指導しか
  言及しません。

【要望2】DDVP含有プレート剤の商品に「パナプレート」や「バポナ」がついたものがあ
  るが、メーカーは、不快害虫用虫除け剤としてピレスロイド系成分を含有する商品を
  同じ名称をつけて販売している。いずれも、吊り下げ型で、従来の劇薬指定のあるDD
  VPプレート剤と紛らわしので、これらの名称を使用しないよう指導されたい。
  事例 国際衛生:パナプレート虫除け/アース製薬 :バポナ虫除けネットW
(回答)頂いた御意見につきましては、メーカの方にお伝えします。
(コメント)メーカーに伝えるだけでなく、もっと、強い指導をせねば、効果がありませ
  ん。アース製薬は、今年の3月に、さらに「バポナ」名使用の新製品「玄関用虫よけ
  ネットW」(トランスフルトリン、エムペントリン含有)の販売をはじめました、さ
  らに、玄関ドア用に「バポナ 自動スプレーW 玄関用」(トランスフルトリン、香料 
 (天然精油配合)含有)を売り出しています。『侵入防止センサーが人の動きを感知し、
  虫が侵入してくる瞬間にスプレーして殺虫!』と宣伝されていますが、集合住宅など
  で、ドアにつけると、そばを通っただけで、シュッとひと吹きされる恐れがあります。
   このような製品は、不快害虫のユスリカ、チョウバエを対象としており、薬事法の
  適用外で、何も規制がないことが大問題です。
★新通知でもあいまいな市町村薬剤配布
 厚労省は2011年12月22日付けで、「殺虫剤等を配布等する行為について」という医薬食品局長名の通知を出しました。 昨年5月、埼玉県越谷市でおきた市が配布し、自治会が小分けした殺虫剤の誤飲中毒事故を受けた通知の第二弾です(記事t23906参照)。
 昭和31年の通知を廃止し、市町村の薬剤配布に対する疑義を解消するというのですが、私たちが問題にしていた市町村が販売業の届けを出さずに、殺虫剤等を配布していいのかという問題提起に明確な結論がでたわけではありません。市町村が配布できるかどうかは、ケースバイケースで、照会を受けた厚労省医薬食品局監視指導・麻薬対策課が判断するということです。

 2012年5月31日、厚労省が、DDVPプレート剤(DDVP21.39g以下含有)の劇薬指定解除。
   通知:ジクロルボス(DDVP)蒸散剤の留意点について


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作成:2012-05-26