空中散布・松枯れにもどる

t24905#2012年度の農薬空中散布予定面積〜農業用の漸減傾向はつづくが・・・#12-05
【関連記事】記事t23805(2011年度予定)、t25202(2011年度実績)
【農薬空中散布情報】2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年
【参考サイト】農水省:農林水産航空事業に関する情報(病害虫防除に関する情報にあり)

 農薬空中散布については、農薬取締法の「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令 」により、年間計画提出が義務づけられており、農水省の植物防疫課(以下、植防)が、毎年、これを取りまとめて、農業用と林業用に分けて、公表しています。
 今号では、農業用について、その内容を紹介します。
図には、最近5年間の水稲と水稲以外の作物への農薬空中散布面積の推移を示します。なお、省令では、有人ヘリコプター散布しか報告義務がないため、統計には、無人ヘリコプター空中散布は含まれません。
    図 有人ヘリコプター空中散布面積(農業用)の推移−省略−

 農業用散布予定面積は漸減傾向にあり、2012年度の農薬散布面積は、は約5万1千haで、水稲防除用が87.1%を占めます。無人ヘリコプター散布面積はその約20倍になると思われます。
 右段の表には、2012年度の県別散布計画面積を示します。農薬空中散布は9道県が実施予定で、茨城と秋田が9000haを超えています。沖縄は、サトウキビ用の殺鼠剤やフェロモン剤6200ha散布のほか、ミバエ対策が243.4万haあります。
  表 12年度有人ヘリ空散実施計画県別面積
          (単位;ha)
   県名   水稲防除 水稲以外  その他 
  北海道   900         1244*
  青森   6638
  秋田   9113
  山形   5614
  茨城   9817    120
  千葉   5516
  神奈川              36*
  宮崎    140    175
  鹿児島  6812
  沖縄           6200   2434389**
  合計   44150    6496    1280*
 * 牧草用肥料  ** ミバエ対策(ウリミバエ=不妊虫放飼、ミカンコミバエ=誘引剤と殺虫剤を
                 滲み込ませたテックス板散布など)
 空中散布は農業用以外に松枯れ対策の林業用があります。植防の統計以外に、林野庁の独自集計がありますが、両者の統計値に以下のような相違があったため、正確な数値を示すよう求めています。
 松枯れ空中散布全国面積(民有林)は、植防が15934ha、林野庁12898haで、3000ha以上の差がある。兵庫県の数値は、植防は2756haだが、林野庁は、ちょうど半分の1378haとなっているなど。
 このような齟齬は、以前にもあり、改善を求めましたが(本誌196号参照)、なんら反省もないことに、唖然とします。

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作成:2012-07-26