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t25206#今年の殺虫剤コマーシャルより〜殺虫剤入り衣料と忌避剤#12-08
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 毎年、初夏から真夏にかけて、殺虫剤のコマーシャルが目に付きます。2005年の記事t16803で、取り上げた2製品について、またしても取り上げざるを得なくなりました。

★殺虫剤ペルメトリン入り衣料
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【参考サイト】フォックスファイアのHPスコーロン製品
       メッシュパーカー:Yutubeの宣伝動画

 帝人とアース製薬が開発した合成ピレスロイド入り防蚊服「スコーロン」は、アウトドア製品として依然として販売が続いているようですが、7月21日付けの東京新聞に「メッシュパーカー」という防虫衣料の紹介が掲載されました。その内容のあまりのひどさに、担当欄の記者にクレームをつけました。
 記事には、「虫が嫌うキク科植物の成分を人工的につくり、繊維に接着したインセクトシールド」とありました。成分は何かと聞くと、前号で問題としたオリセット蚊帳と同じペルメトリンだとのこと。記者はペルメトリンが殺虫剤だということすら知りませんでした。後刻、このページのデスクから電話がありました。
 この服はアメリカの環境保護庁が安全だと言っているとの言い訳でしたが、成分を書くべきだというと「ペルメトリンと書いても、分かる人はいない」と言う。「わからないのは、あなた方だけだ。被害を受ける人は知っている。なぜ、殺虫剤だということを書かないのか」というと、「それは、そうだ」とのこと。「必ず成分名を書くとは、約束できないが、殺虫剤とはかける。今後、気をつける」と言うので、「広告まがいの記事も気をつけるべきだ。防虫とか、殺虫剤とかいう言葉があったら慎重に調査した上で書いてほしい。東京新聞は隅から隅まで読んでいる。脱原発の記事はすばらしいが、化学物質に関しても十分注意してほしい」ということで、終わりました。

★まだまだディートは使われる
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【参考サイト】厚労省:平成22年度薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会 安全対策調査会(第2回)((2010/06/08)
           ディートを含有する医薬品及び医薬部外品の安全性に関する定期報告について(2010/10/26)
       金鳥=大日本除虫菊:虫除けプレシャワー

 前記記事には「肌に直接つける虫除け剤が苦手の人にも」との記載がありましたが、これは、具体的には忌避剤ディートを指すものです。私たちは、05年夏、ジョンソン社の「スキンガード」のテレビCM(幼女の肌にディート含有剤をスプレーする)が不適切であるとクレームをつけました。
 ところで、現在販売されている金鳥の製剤に「虫除けプレシャワー」という商品があります。その宣伝文をみると、海洋深層水使用/天然アルコール使用/香料成分中には天然ペパーミントオイル/コラーゲン配合/ヒアルロン酸ナトリウム配合/保存料無添加と、なっており、最後の方に『有効成分ディート』との記載がみられます。よほど注意しないと忌避成分がディートであることがわかりません。
 厚労省は、05年8月、神経毒性が懸念されるディート製剤について、試験を実施し、副作用等を定期的に報告するよう通知を出しました。その後、05-09年に172件の副作用報告があったものの、業界による「ラットにおける 4 週間経皮投与及び 4 週間持続皮下投与神経毒性試験」で『末梢及び中枢神経系に対する影響は認められなかった』との結論が出され、これを踏まえ、厚労省は、2010年10月に、通知を発出し、副作用情報の報告指導を解除しました。
 しかし、1990から91年の湾岸戦争に従軍、ディートとペルメトリンを併用した米帰還兵に湾岸戦争症候群といわれる健康被害がみられる問題は、解決していません。


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作成:2012-09-30