室内汚染・シロアリ防除剤にもどる
t25306#バポナ(DDVP)の広告で、厚労省が改善要請、虫コナーズなどは野放し#12-09
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【参考サイト】大日本除虫菊=金鳥:Top Page、ピレスロイドの特長は?
アース製薬:Top Page、家庭用殺虫剤
★DDVP殺虫剤は90種類も承認
有機リン系のDDVP(ジクロロボス)を有効成分とする農薬は、本年4月27日に登録失効しました。 その後、 私たちは、登録失効した製剤の販売中止を求めましたが、残念ながら、ラベル記載の最終有効年月以内の製品を販売しても、農薬取締法違反にならない状況は続いています。一方、化管法調査では2010年の農薬使用量は1.125トンに対し、衛生害虫用は23.451トンでした。
厚労省に尋ねたところ、販売状況は不明だが、DDVP含有承認製剤は90(うちプレート剤20)あるとのことでした。本年4月に、プレート剤の劇物指定が解除され、その製造・販売・使用はつづいています(商品名はバポナ、パナプレートほか)。
ところで、プレート剤の適用場所の項には、『以下の場所のうち、人が長時間留まらない区域:店舗、ホテル、旅館、工場、倉庫、畜舎、テント、地下室 』とあるにも拘わらず、メーカーの宣伝用イラストには、従業員や不特定多数の客が立ち寄るホテル・旅館のロビーや店舗があり、人がいてもよいと誤解あたえること、また、プレート剤が動物用医薬品として承認されていないにもかかわらず、畜舎でのハエなど衛生害虫駆除に使用可能となっていることについて、厚労省に善処を要望しました。
前者については、『よりわかりやすい表現などへの改善の要請をします。』との回答でしたが、後者については、『衛生害虫の駆除等を目的として、畜舎で使用することは可能です。』とのことでした。
DDVP油剤や液剤は動物用医薬品としても承認されていますが、プレート剤はヒトの感染症防止専用ということでしょうか。
★ピレスロイドを放出する虫コナーズ
DDVPプレート剤以外に、家庭用殺虫剤メーカーでは、虫を寄せ付けないという製品を開発し、『虫コナーズ○○』とか『虫こない××』として、大々的に宣伝しています。これらは、網戸にスプレーしたり、窓ガラスに接着するタイプのほか、カーテンレール、ドアノブやベランダ、軒下、洗濯干しなどにつるす吊り下型もあります。その含有成分の多くはピレスロイド系の化学物質(シフルトリン、フェンプロパトリン、フタルスリン、メトフルトリン、ほか)で、農薬や蚊など衛生害虫用殺虫剤と同じです。次頁に製品リストを示します。
いったいどんな虫がよりつかないのかと思って、調べると、ユスリカやチョウバエなど不快害虫となっており、薬事法の承認が必要なカやハエへの効能は謳っていません。そもそも、風で薬剤成分が散らされるような戸外につるしておくことで、虫が死なないで、寄ってこない濃度はどのようにして評価されるのでしょう。また、製品をつるしている住宅や店舗の周りに、間違いなく殺虫成分が漂っているわけですから、そんな空気を吸い込んだ場合、人の健康に影響はないのでしょうか。
会員の方からは、高知県のあるクリーニング店では、入口付近に8個もぶら下がっていたとの報告がありました。ピレスロイド系殺虫剤に過敏な人もいるので、健康被害の情報があれば、消費者庁や厚労省に被害例としてあげてください。
表 虫除け製品リスト −省略−
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作成:2012-09-30