街の農薬汚染にもどる

t25402#これだけは、新住宅地通知にいれてほしい〜第三回農水省・環境省との話し合い (その2)除草剤・現地混用・クロルピクリン・無人ヘリ散布の禁止要望等への回答#12-10
【関連記事】記事t25301
  要望:  これだけは、通知に入れてほしい内容

 記事t25301で、新住宅地通知に関する農水・環境省との第三回交渉の前半部分を報告しました。今号では残りの課題に関する話し合いの要旨を報告します。
要望7,除草について新たに項を設け、できる限り手取りや草刈り機等による除草に努める
ことと、やむを得ず除草剤を使用する場合は登録農薬を使用するよう明記する。また農薬
登録のない除草剤の住宅地周辺での使用についても、「住宅地通知」を適用するよう明記
する。
<回答>
 農水省:管理植物があれば、管理植物の防除の一環として、農薬の適正使用を指導する
立場にある。除草については、通知にもマニュアルにも物理的防除の例として記載してあ
る。しかし、いわゆる管理植物のないところの除草というのを明確に書けといわれても、
書けない。
<やりとり>
市民:住宅地で除草剤の使用する場合は、登録農薬を使用することというのは、どうか。
農水省:農取法の法目的は、農業生産振興上のもので、広くいえば植物の防除と読めるが、
一切植物のないところで薬物を使うことを、通知の中に含めるというのは難しい。ただ、
庭木があれば庭木の防除、空き地であってもそこに木があればその木の防除と言えるが、
守るべき植物がないといわれてしまうと、手出しができない。そういう意味で広く植栽管
理だということで、できるだけ、農薬適正使用の巾を広げていきたい。
市民:全く同じ成分のものを撒いていても通知もしなくていい、何もしなくてもいい。お
かしいと思わないか。
環境省:法律に根拠がないと、国からの通知という形で県に指導はできない。ただ、都道
府県は農取法だけ所管しているわけではないので、(登録農薬と)同じような形で指導し
ていくことが、実際にあるようだ。
市民:都道府県で要綱か、条例であるのか。
農水省:農薬部局ではなくて、一般の生活環境みたいな形だ。都道府県は農業だけを見て
いるわけじゃないから。たとえば、植物が植わってなくても生活環境だから、農取法と同
じように扱いましょうと。
市民:具体的に自治体の名前を挙げてください。
環境省:ちょっと今は・・
市民:じゃあ後で。それを教えてほしい。

要望8,食用作物だけでなく、樹木や花卉、芝などの非食用作物についても、農薬製剤の
ラベル記載の適用に関する事項、最終有効年月や使用上の注意事項の厳守をもとめる。
<回答>
農水省:農薬使用者は農取法に基づいて登録された農薬を、ラベルに記載された使用方法、
及び使用上の注意事項を守って使用する、これは、非食用も、食用も同じだ。
<やりとり>
市民:質問項目の2番目にある使用上の注意事項などがまとめて書かれているものはない
のか。
環境省:公的機関ではない。メーカーのホームページでは書かれている。
農水省:個別の登録を集めてやるのは不可能だ。
市民:持ってないのですね。
農水省:登録のラベルは製品に付けてある。製品が一番間違えずに見ることができる。た
だ、製品をホームページに載せているメーカーさんもかなりある。

要望9、公園・街路樹・芝地などの非農耕地での農薬散布において、現地混用は禁止する。
現行通知の現地混用の記述は削除する。
<回答>
農水省:通知の中身の混用のところをもう一回見直してみたが、ちょっと変だ。合わない。
この通知からは現地混用は全て落とそうと思っている。ただ、現地混用は当然のことなが
ら指導しなければいけないことがあるので、それはそれで、混用の問題として別途指導し
た方がいいのかと思う。
<やりとり>
市民:前に事務連絡で混用のことが出ていたが、あれは今もあるのか。
農水省:ある。
  (別途質問で、現地混用している農薬で、09年以後、登録製剤とするよう検討され
   たものの有無について問うたが、該当する農薬製剤はなかった。要するに、現地
   混用のニーズは少ないということ。)

要望10,地方自治体等が、農薬散布を防除業者に委託する場合、入札時の仕様書には、
本通知と環境省のマニュアルを遵守することを明記し、通知を遵守しない業者とは契約し
ない。
<回答>
農水省:これはできるだけ、趣旨を踏まえた形でやりたいと思う。グリーン購入法の植栽
管理も含めてやりたい。

要望11,帳簿の記載について、他にも記載が必要な事項を加え、帳簿の開示について明記し、
遵守を求める表現に変える。
<回答>
農水省:帳簿を義務づけるのは第三者から開示に基づいて請求した場合に、公開しなきゃ
いけないということで作っているわけじゃない。個人に対して、第三者の要求に基づいて
帳簿を開示しなさいというのは、法律でないとできない。なぜ、帳簿記載を義務づけてい
るかというと、何か問題があったときに原因究明の方では都道府県がやるわけだが、その
時に帳簿を確認したりすることはできるからだ。そういう形で使われると考えているので
帳簿を第三者の要求に基づいて請求して開示するということは考えていない。

要望12,農薬により健康被害を受けた場合の住民からの相談について、一応、窓口を
設置することになっているが、現実には自治体に窓口は少ない。健康被害を訴える場所す
らわからないことが多いため、誰にでも分かるように窓口を設置し、広報することを義務
付ける。
<回答>
農水省:住宅地通知で、自治体できちんと体制を整備してもらうとか、定期的な検証を行
うということを書きたいと思っていう。健康被害を受けた場合の住民からの相談について
もたらい回しのないようにするという旨を通知に入れていきたいと考えている。

要望13,住宅地周辺の農地では、クロルピクリンの使用を禁止すべきである。
<回答>
農水省:住宅地だけの問題ではなくて、住宅地通知とは別にクロルピクリンは、どうやっ
て指導するか検討している。
<やりとり>
市民:ずっと通知を出しているがちっとも事故は減らない。
農水省:これは個別の事故別のものとして、考えてやりたいと思う。住宅地通知に一般論
として書くのはあまりふさわしくない。
市民:神奈川県の例をだしてあるが、住宅地周辺では絶対使用しないと書いてある。この
くらい書けるのではないか。クロルピクリンの通知を出すときにはこういう内容で書いて
ほしい。

要望14,住宅地周辺での無人ヘリコプターの散布を禁止すべきである。
 高濃度で短時間に広範囲で農薬を散布する上、事故の多い無人ヘリコプターの住宅地近
隣での使用を禁止する。
<回答>
農水植防課:指針を作っており、学校とかから離すようになっている。住宅地通知の中で
もある。安全対策についてはマニュアルを作っている。
市民:住宅から何メートル離せば大丈夫だという決まりはあるのか。龍ヶ崎市の場合はど
うか。
植防:・・ うちの方でも被害が起こらないように指導はしているが。
市民:じゃあ、ずっとこういう形で続けるということか。やめるという選択肢はないのか。
植防:農家がどうしても撒いてほしいという要望が強いということだ。
市民:岡山県のある市では、農薬販売業者が農家から注文を取って無人ヘリ散布をしてい
る。その際、農薬名も知らせないということだ。(この件は文末の投稿参照)現実には、
そういうふうにでたらめに撒かれている。それ、でたらめだと思うか。
植防:実際そうであればやはり・・
岡崎議員:何か指導できるのか。
植防:その話は、県庁にこういう話があったと伝えて・・
岡崎議員:さっきの質問に答えてないが、何メーター離れたらいいのか。決まりはないの
か。
環境省:無人ヘリのマニュアルの中に、住宅地に限らず周辺から30mあけなさいという
形になっている。航空協会の方でマニュアルを作ってその中で30mとなっている。
植防:30mでなくて20mだ。
市民:始めは15mだった。それが20mになった。その距離は、ぶつかって事故がおき
ないようにということでできたものだ。20mくらい離さないと、住宅にぶつかる場合も
ある。
環境省:今環境省がやっているリスク評価では、そういう20mでいいのかどうかを含め
て検討している。
市民:千葉市の回答も20mだった。全然、役に立たない。
市民:環境省の調査は一台でしかやっていない。水田地帯では十数台でやっている。面積
が多いから周辺に問題だが、そういう評価は出されていない。
環境省:シミュレーションで、一台の時にどれだけの濃度でとやるので、隣に撒くときが
あれば、両方の散布を入れればいい。シミュレーションでやっている範囲では、一番大気
中の濃度が高くなるのは風が吹かないときだ。急に風が吹くと散るので大気濃度が下がる。
市民:実測すべきだといつも思う。たとえば山形の庄内平野だったら、一度に10数台も
無人ヘリが飛ぶ。非常に広い範囲を3日もかけて撒く。そういうところで測ってみればいい。
環境省:リスク評価をした上で、モニタリングを考えている。ただ、そうたくさんはでき
ないので、おっしゃるようなところを教えていただければ、モニタリングしてみて個別に
シミュレーションしてみたい。是非、こういう場所があるということを教えてほしい。
市民:そっちで調べなければいけない。普通、届けが出ているはずだから、国が調べれば
いいのでは。こちらは事故が起こってから初めて報道などで調べる結果論でしか分からな
い。
市民:実験なんかに金をかけないで、むしろ、フィールドで調査した方がいい。あんな実
験で何が分かるのか。
農水省:パブコメ前に案を見せることは出来ないが、案を出したからと言って一切変えな
いわけではないので、パブコメで意見をだしていただきたい。
岡崎議員:それでは時間がきたのでこの辺で。ありがとうございました。
 今後は、案がでたらパブコメで対応するとし、岡崎議員の挨拶で終了しました。
<投稿>わが町の無人ヘリコプター農薬散布(岡山県)−省略−


購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。
作成:2012-10-27