空中散布・松枯れにもどる

t26104#無人ヘリコプター 環境省は経皮毒性リスク評価を削除、事故は多発#13-05
【関連記事】記事t24601記事t25901記事t25902記事t26003
      電子版「脱農薬てんとう資料集」No.4<無人ヘリコプター農薬散布現状と問題点>
      脱農薬ミニノート3号野放し!無人ヘリコプター農薬散布
【参考サイト】環境省:農薬の大気経由による影響評価事業の頁
        農薬の大気経由による飛散リスク評価・管理対策 中間報告書
          報告書本文(H25年3月)、ほかに資料あり。
       農薬インデックス無人ヘリコプター用農薬の頁
         登録農薬関連法令・通知機種別仕様安全対策(マニュアルやリーフレットあり)

 環境省の無人ヘリコプター空中散布を対象とした「農薬の大気経由による影響評価事業」について、 「農薬吸入毒性評価部会」と「農薬の大気経由による飛散リスク評価検討会」に対して、意見・質問書を提出していましたが、その回答の一部を紹介します。
 いちばん驚いたのは、記事t25902で解説したように、経気経路にはリスクがなく、ADIを基に算出していた経皮経路の方が問題だとしていたにも拘わらず、『中間報告書では経気道ばく露に係るリスク評価についてのみ評価を実施することとなった』として、せっかく実施した経皮のシミュレーション結果を削除するとしたことです。
 人の健康被害はどのような症状をいうのかを問うても、『人の健康被害のデータに基づくものではなく、マウスを用いた亜急性吸入毒性試験等の無毒性量(NOAEL)から、マウスと人との違い及び個体差について、それぞれ10の安全係数をかけた上で、気中濃度評価値を求めております。』との答えです。その他、以下のような回答があり、とても納得できません。
  @今まで、環境省などが実施してきたフィールドでの実測値は、シミュレーション
   できない。
  A散布高度と飛散への影響についての質問には、松枯れ空中散布のような高度から
   の散布のシュミレーションは実施していない。
  B散布直後の液滴の粒径分布で、清水の散布液は同等の挙動をするかについても、
   まともに答えてくれない。
  C100ha以上を複数機で短期間で散布する場合の影響についても、答えをはぐらかす。
 これでは、散布地からの安全距離など設定しようがありません。全く、先が思いやられます。その上、次節のように事故が多発しているのが現状です。

★農水省 12年の無人ヘリ事故は25件
【参考サイト】農水省:農林水産航空事業に関する情報(病害虫防除に関する情報にあり)
        平成23年度の無人ヘリコプターによる空中散布等に伴う事故情報の報告状況及び
         平成24年度以降に向けた安全対策の徹底について
        平成25年度以降に向けた無人ヘリコプターの安全対策の徹底及び
         平成24年度の事故情報の報告状況について

 記事t26003で、都道府県アンケート調査による、11、12年の農薬無人ヘリコプター空中散布の事故結果を報告しましたが、3月12日、農水省は12年度発生の事故25件を発表しました。事故概要や原因等については、表に示しました。25件中23件は、7月から9月の水田での空中散布時期に起こっています。負傷の一件は、私たちの調査で判明した愛媛県のものと思われますが、農水省は、発生場所は今後の安全対策をとるのに、重要な情報とは、考えていないとのことで、相変わらず公表しません。
 すべての事故は、架線や障害物との接触で、その原因では、オペレーターと合図マンの連携不足21件、オペレーターの操作ミス・目測誤り20件でした。
 これらの事故を踏まえ、農水省は 事故防止対策として、
  @飛行経路及び作業員の配置の事前確認(障害物、作業員の位置関係を示す圃場
   地図作成など)
  A作業時間の管理(連続作業1時間程度、作業時間が長くならないなど)、
  B連絡体制の構築(都道府県庁と実施主体の連絡)をあげるとともに、具体的には、
   適切な飛行方向、飛行高度、飛行速度の遵守と、オペレーターと合図マンの連携
   強化
が挙げられていますが、これで、事故が減るかどうか心配です。

7月18日、千葉県君津市で、無人ヘリコプター事故により、オペレーターが死亡しました。
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作成:2013-07-28