街の農薬汚染にもどる
t26202#新住宅地通知発出後の動き まだまだ問題は解決しない#13-06
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【参考サイト】通知:住宅地等における農薬使用について
4月26日に改定通知「住宅地等における農薬使用について」が発出されてそろそろ二ヶ月になります。各地の農薬散布は改善されたでしょうか。
★上田市霊園の場合
上田市在住の化学物質過敏症患者のAさんから、近くの霊園で除草剤を散布するので何とかならないだろうかとの相談を受けました。
上田市、長野県などに問い合わせてわかったことは、この霊園は、上田市が所有する「上田市霊園」(総面積22,310m2)で、霊園面積の13%にあたる3000m2に、ラウンドアップマックスロード(グリホサート系除草剤)を、シルバー人材センターの作業員が、4月20日と24日に背負式の噴霧器で行うとのことでした。散布することはAさんだけに知らせ、霊園利用者や周辺住民には知らせていませんでした。
また、散布者は研修を受けておらず、契約書にも農薬散布に関することは何も記されていません。なぜ、物理的防除を先に検討しないのかという問には、場所が広くて一人では管理しきれないということで、改善しようという姿勢は見られませんでした。
結局、除草剤散布は最初の日は中止になり、今後、施設管理者及びシルバー人材センターの作業従事者が県主催の研修会に参加する予定であるなど、通知を遵守するということで散布は行われました。
★林野庁森林保護対策室の場合
【関連記事】2013年度松枯れ対策等の農薬空中散布予定
林野庁:事務連絡 (4/11)と(5/22)
絶滅危惧II類に指定されているウミガメなどの全国有数の産卵地であり、ラムサール条約で登録湿地に指定されている、鹿児島県屋久島町の永田地区前浜で、松枯れ対策のため、モリエートSC(クロチアニジン)を地上散布する予定があると、地元の会員からの連絡がありました。
散布予定地近くには、住宅地もあるとのことなので、林野庁森林保護対策室に、住宅地通知の遵守はどうなっているか聞いてみました。
林野庁は4月11日、「松くい虫特別防除等の適切な実施について」の事務連絡をだしており、例年通り、旧住宅地通知の遵守を促していますが、担当者は 新通知(4月26日発出、わざわざ「森林病害虫等防除法に基づき周辺の被害状況からみても、松くい虫等の防除のための予防散布を行わざるを得ない場合を含む」と書かれている)が出たらしいということは知っていましたが、内容の確認もせず、全国の松枯れ対策担当課に知らせてもいませんでした。
通知発出者の農水省に連絡すると、「信じられない」といいながら、直ちに新通知の周知をするよう伝えたとのことでした。
そのため、5月22日に森林保護対策室長名で「事業の発注者としての立場から本通知に基づき、必要な措置が講じられるよう指導及び遵守をお願いします」と、新通知と共に、事務連絡が出されました。全国の松枯れ対策を指導する担当課がこの程度ですから、一片の事務連絡で果たして周知されるのか疑問です。きちんと研修会を開くべきです。
★熊本市での学校農薬散布
熊本市立の幼稚園、小学校、中学、高校で、過去5年間の散布状況を調べたところ、5年間で一度もまかなかった学校は、ほぼ1割でした。毎年まいていたのは、小学校で47.8%(母数92校)、中学校で50%(母数42校)、幼稚園は8園中3園でした。高校は2校あり、どちらも5年間のうち1年だけまかない年がありました。
年に2回、3回と散布する学校も結構あり、初回がだいたい2000リットルまいて、2回目は1000、3回目目は500という学校が多いです。
昨年度までの薬剤はディプテレックスでした。昨年度の散布量を合計すると、20万450リットルになります。今年はトレボン乳剤に変えたそうです。
市の緑保全課は、19年度の通知の存在自体を知りませんでした。新通知については、県の農業技術課(国の通知が届いた部署)と電話で話したのですが、農家が使う農薬に関する部署なので、通知を市の緑保全課(公園や学校の樹木を管理する部署)には送付していなかったことがわかりました。
私が電話をしたので、緑保全課に送るべき通知とわかったようで、これから送ると言っていました。教育委員会には、私の昨日の電話のあと、送ったと言っていました。
★近所にお願いにまわる(千葉市)
【参考サイト】千葉市:H23年度の市有施設等における農薬等薬剤の使用状況について
防除業者が個人宅と契約し、定期的に農薬散布をするのが増え、毎年、周り中が農薬だらけになって苦しんできました。
今年は、同じように被害を受けている人たち5人で、近所(27軒)を廻りました。訴える内容は、@農薬散布で、子どもも大人も健康被害を受けていること、A代替品の紹介。Bもし、業者に依頼するのであれば、BT剤にしてもらえると助かる(これは、口頭でお願いした)
廻ったところは、農薬散布をしなかったり、BT剤に切り替えてもらえましたが、少し離れたところでディプテレックスを集団散布されて大変苦しみました。
★岐阜 教室で殺虫剤・熊撃退剤使用被害 −省略−
記事t26305
【中日(東京)新聞】 農薬散布の事前周知徹底を 農水省など都道府県に通知(2013/06/17)
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作成:2013-07-28