空中散布・松枯れにもどる

t26505#千葉県君津市の無人ヘリコプター死亡事故〜事故経緯も明かさないでおざなり対策#13-09
【関連記事】記事t22902記事t26003記事t26104記事t26704
      電子版「脱農薬てんとう資料集」No.4<無人ヘリコプター農薬散布現状と問題点>
      脱農薬ミニノート3号野放し!無人ヘリコプター農薬散布
【参考サイト】農水省:農林水産航空事業に関する情報(病害虫防除に関する情報にあり)
      ・平成23年度の無人ヘリコプターによる空中散布等に伴う事故情報の報告状況及び
       平成24年度以降に向けた安全対策の徹底について
      ・平成25年度以降に向けた無人ヘリコプターの安全対策の徹底及び
       平成24年度の事故情報の報告状況について

 7月18日、千葉県君津市の水田で、無人ヘリコプターと接触したオペーレーターが死亡するという重大事故が起こりました。3年前の2010年7月、北海道せたな町での死亡事故原因がいまだ解明されないままでの再度の事故です(記事t22902参照)。
 農水省の無人ヘリコプター事故調査によると、いままでの事故原因の多くは、オペーレーターの操作ミスや障害物対策の不備となっており、私たちは、機体や操縦装置の不備について、どのような調査がなされているかわからない点を問題にしてきました。そこで、千葉県と農水省に今回の事故の経緯に関する質問を送りました。

★事故経緯の質問には答えず
   反農薬東京グループの千葉県への質問
  [千葉県回答]
  『この度の事故に関する情報については、今後の事故防止の観点から、農林水産省
  の通知に基づき情報を収集し回答しておりますので、県からの回答は控えさせてい
  ただきます。なお、本件を含め事故に関する情報は、農林水産省が次年度以降の無
  人ヘリコプターによる空中散布等安全対策に必要な情報として年度末に取りまとめ、
  公表することになっています。』
 農水省へも同じような問い合わせをしましたが、『個々の事故に関する情報については今後の事故発生防止のためとして調べていますので、当方からの回答は控えさせていただきます。』との回答でした。
 事故原因を知るため必要な事実関係についての情報を得るのが目的の質問でしたが、両者とも個別事故については、回答できないとのことで、結局、私たちは、囲み記事にまとめたような新聞やテレビによる報道でしか事故内容を知りえませんでした。

★通り一遍の通知で、事故防止はできない
【参考サイト】農水省;安全対策の強化・徹底に関する通知集
     ・無人ヘリコプターによる空中散布等の実施時における安全対策の徹底について(2010年7月20日)
     ・無人ヘリコプターによる空中散布等の実施時における安全対策の徹底について(2013年7月19日)

 千葉県は、無人ヘリ事故の防止対策について次のように答えています。
『事故当日の18日午後4 時に県庁において緊急に各郡段階植物防疫協会事務局長を招集し、事故概要の説明を行うとともに、「無人ヘリコプター利用技術指導指針」等の指導指針に基づいた安全対策の徹底について指導しました。本会議後、速やかに各郡段階植物防疫協会から各市町村植物防疫協会(両協会とも無人ヘリコプター地区別協議会に当たる組織)に対して、指導事項について周知徹底を図りました。
さらに、翌日の19日には千葉県農林水産部長通知「無人ヘリコプターによる空中散布等の実施時における安全対策の徹底について」を一般社団法人千葉県植物防疫協会、各郡段階植物防疫協会及び指導機関( 市町村、農業協同組合)等(以下「関係団体等」という。)へ発出するとともに、29日には7月19日付け消費・安全局植物防疫課長通知「無人ヘリコプターによる空中散布等の実施時における安全対策の徹底について」を関係団体等へ送付し、安全対策の徹底について指導しました。
なお、事故が発生した地域では、翌日19日に予定されていた散布を中止し、再度散布現場の架線等危険箇所の確認を指示しました。
今後は、各市町村植物防疫協会等の関係機関を招集し、安全対策会議を開催するとともに、例年実施している全実施団体の散布計画ヒアリングにおいて安全対策の徹底を指導します。』
 回答にある農水省の通知は、事故後ただちに、同省が、地方農政局や農林水産航空協会あてに発出したものですが、その内容は、3年前の北海道事故の犠牲者「補助員」を「操作要員」に変えた文面に、同省の2011年と2012年度の無人ヘリコプター事故解析の通知に基づく安全対策の実施の指導を求めているだけです。
 具体的な事故の経緯も知らせず、原因解明にも触れず、このような通り一遍の指導しかしないようでは、無人ヘリコプター事故は後を絶たないことでしょう。

■ヤンマー製無人ヘリコプターAYH-3型に接触してオペレーターが死亡■
 テレビや新聞報道をまとめると事故経緯は次のようです。
無人ヘリコプター事故は、7月18日の朝8時半ごろ、千葉市君津市大戸見で、水田に農薬を空中散布しようとしていた時におこりました。農家から、水田防除を請け負った被害者が無人ヘリを操作していましたが、近くの電線を避けるため、操作をしたこところ、ヘリが急降下し、その回転翼に頭を接触して、死亡したということです。
現場の映像をみると、事故機は、ヤンマー製のAYH-3型で、回転翼が曲がっている程度で、機体に大きな損傷はなく、地上に激突したわけではないようです。農林水産航空協会発行の「産業用無人ヘリコプターによる病害虫防除実施者のための安全対策マニュアル」によると、安全操作のために、オペーレーターは機体から20m以上離れるよう指導されていますが、機体とオペレーターの位置関係はどうだったか、問題の機体がどのような飛び方をしていたかなどは、よくわかりません。

購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。
作成:2013-11-29