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t26810#天草だより 連載(165)特定秘密保護法  (植村振作)#13-12

  反農薬替え歌の頁にあるひみつはなあに

◆風呂を沸かすのに、ひと月ほど前までは太陽熱温水器の暖まった水を張って薪で少し追い炊きすれば済みましたが、近頃、よほど天気のいい日でないと暖まりません。そこで温水器の利用をあきらめて、最近はほとんど薪を利用しています。そういえば、今日は、冬至とか。今朝は最低1.7℃でした。
◆風呂に入って、毎日いい気分になりたいところですが、このところ、気が晴れない毎日を送っています。このまま特定秘密保護法をのさばらせてしまうと、戦前・戦中の日本みたいな暗い世の中になってしまわないか、気が安らぎません。
 少年の頃のことでした。
国民学校初等科2年 (1944(昭和19)年)の時住んでいた家の前には、小さい川があり、そこでよく遊びました。
あるとき、今では正確には思い出せませんが5円札だったような気がします、とにかく子供にとっては高額の紙幣を一枚その川で拾い、大騒ぎしたことを憶えています。拾った紙幣がその後どうなったか記憶にありません。でも、その紙幣を家に持って帰ったとき、少し上流の、ある家の近くでは遊ばないほうが良い、5円札も、あそこから流れてきたのでは・・・といわれたことを記憶しています。
 その家には、当時にしては珍しく、よく聞こえるラジオがありました。そんなラジオを持っているのは、どこか外国と交信しているのではないか、と周りの人達はその家をスパイ視していました。

また、私が中学生だった頃、父が話してくれたことです。
尋常小学校しか卒業していなかった父が、旧制中学校の教員を目指して、 「文部省教員検定試験」いわゆる「文検」の本試験(国語及び漢文)を受けるために東京へ行く途中、関門連絡船で「臨検」があったそうです。トランクの中に入れていた冨山房の橙色の表紙の漢和辞典を見つけた警官は、 「赤」い本を持っていると言うことで父を取り調べ始めたそうです。そのため、あわや試験に遅刻しそうになったと言っていました。

 当初、天皇制や私有財産制を否定する運動・団体を取り締まり対象として制定された治安維持法が、いつの間にか時の政府を批判する人々まで取り締まりの対象とし、果ては父のように、ただ赤い本を所持している者まで拘束するという具合に、拡大解釈・運用され、そのあげく、隣人まで監視する社会になってしまいました。

◆特定秘密保護法も拡大解釈・運用され、いつの間にか権力による個人の思想信条、嗜好、暮らしぶり等の調査が秘密裏に行われ、デモがテロと同一視されることが常識にならないとも限りません。反農薬グループは、政府に対して化学物質の汚染状況の開示を求めてきました。今後は、それらが開示されればテロ等に与する恐れがあるとして特定秘密に指定され、開示されないことも考えられます。
 人の健康や生態系を守るためにも、特定秘密保護法は廃止以外にはありません。

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作成:2013-12-27