t27405#静岡市:三保松原(みほのまつばら)の景観保持に農薬空中散布#14-06
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      2014年度:空中散布情報
【参考サイト】日本ユネスコ協会連盟:Top Page、富士山:2013年06月22日速報続報
       文化庁:「富士山」の世界遺産一覧表への記載決定について(2013/06/22)
       静岡市:Top Page三保松原案内
           松くい虫防除事業松原を保全するための取組緑の基本計画アクションプログラム
       静岡県:県の松枯れ対策農薬散布のお知らせ(空中散布地上散布)
           三保松原の松林保全技術会議の議事録:第1回(6/22)、第2回(8/25)、第3回(11/4)
            三保松原の松林保全に向けた提言書(12/03)

 反農薬東京グループからの質問・要望:静岡市(6/06)静岡市(6/17)静岡県

 今年も全国で、松枯れ対策の農薬散布が実施されています。
東京都では、今まで続いていた皇居外苑のエコワン3フロアブル(チアクロプリド)と迎賓館のマツグリーン液剤2(アセタミプリド)の地上散布を中止させることができました。(記事t26301記事t27004参照)
 しかし、静岡県では、三保松原で、いままで中止されていた空中散布が5月27日に、再開されました。

★住宅地通知無視の静岡市
 昨年、ユネスコの世界文化遺産に富士山が登録されました。その構成資産のひとつ、静岡市清水区にある三保松原には、公称5万4千本(ボーイスカウト等の調査で約3万本)の松林があり、松枯れが発生しています。松原及びその周辺では、松枯れ被害木の伐倒、農薬散布、樹幹注入で対策がとられていますが、被害を止めることはできていません。 2006年、有機リン系スミパイン系農薬の有人ヘリによる空中散布は、健康被害の懸念が払拭できず、中止され、樹幹注入と地上散布(最近では、エコワン3フロアブル−以下エコワンという−が大型散布機スパウターで実施)が継続されています。
 世界遺産登録を契機に、静岡県は、市に任せて置けないと、「三保松原の松林保全技術会議」を設置し、6月に開催する第一回目の会議で@マツ材線虫病まん延防止対策、A松林の生育に適した土壌改良技術、B松林の健全な育成、持続的管理手法 をテーマに議論することになっていました。
 ところが、静岡市は、この会議の前に、地上散布だけでなく、エコワンの無人ヘリ空散も実施しました。13年度の樹幹注入は、いままでで一番多い3793本実施されており、その効果のほども不明なのに、松枯れ防止効果が疑わしい農薬散布を、世界遺産の保持には、松を枯らさないことが至上命令とばかり、拙速に拡大したのです。
 静岡市は、海岸側の松林にエコワンを無人ヘリで3.9ha空散しただけでなく、農水省・環境省二局長連名の住宅地通知にある『周辺の被害状況から見て松くい虫等の防除のための予防散布を行わざるを得ない場合も含め、誘殺、塗布、樹幹注入等散布以外の方法を活用するとともに、やむを得ず散布する場合であっても、最小限の部位及び区域における農薬散布にとどめること』に反し、団地、学校、観光施設地区など34箇所で、大型散布機スパウターなどにより25.7haの地上散布を実施しました。
 『周辺住民には、自治会を通じて 散布のお知らせを配布、また、散布区域近隣の学校等については、お知らせを郵送するとともに、訪問もして説明している』とし、『散布当日は散布区域には入らない』と注意しているとのことですが、観光客に対しては関係団体に知らせているだけです。飛散状況や大気・土壌などの環境汚染状況も不明、マツノマダラカミキリの死骸の確認もされていません。また、散布後2日もたたない5月31日には、散布区域にある『神の道』という参道を地元の小学生や保護者が清掃作業をしていました。
 静岡市に対して、6月下旬に計画されている第二回目の散布の中止とボランティア等による松林の手入れは、農薬を散布しない地域に限るよう求めました。

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作成:2014-07-26、更新:2014-12-03