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t28204#厚労省:感染症媒介蚊対策基本指針パブコメへ〜締切は3月21日#15-02
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   デング熱・蚊対策に、ウエストナイル熱の教訓を生かそう
   厚労省への 感染症媒介蚊対策についての要望と質問(2014年12月15日)
【参考サイト】厚労省:第7回厚生科学審議会感染症部会
           蚊媒介性感染症に関する小委員会:第2回(2015年1月14日)、第3回(2月18日)
    「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針(案)」に関する意見募集について指針案概要

 厚労省は、デング熱の国内感染患者発生を契機に、蚊媒介性感染症に関する小委員会を設置、昨年12月から3回の委員会開催を経て、「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針案」を策定しました。2月20日から3月21日まで、パブコメ意見募集が実施されています。
 指針案では、『デング熱及びチクングニア熱を重点的に対策を取る必要がある蚊媒介性感染症に位置付け、これらの感染症の媒介蚊(ヒトスジシマカ)が発生する地域での対策を講じることにより、その発生の予防とまん延の防止を図ることを主たる目的とす る』とありますが、どのような予防対策をどこが実施するかなど基本的な方向性を示すものにすぎず、今後、国が作成した人及び蚊についての積極的疫学調査等に関する手引を踏まえ、都道府県等が対応のマニュアル等を整備することになっています。
 従って、平常時の予防対策の項には、
『国、都道府県等及び市町村は、国民に対し、個人及び地域で実施可能な予防方法として、媒介蚊の発生源の対策、肌をできるだけ露出しない服装や忌避剤の使用等による防蚊対策・・・・の普及に努めるものとする。』
『都道府県等は、蚊媒介感染症の発生に関する人及び蚊についての総合的なリスク評価を行うものとする。訪問者数が多く、かつ、蚊の生息に適した場所が存在する大規模公園など、リスク評価の結果、注意が必要とされた地点においては、必要に応じて、市町村と連携しつつ、施設管理者の協力を得て、定点を定めた媒介蚊の発生状況の継続的な観測、媒介蚊の幼虫の発生源の対策及び媒介蚊の成虫の駆除・・の対応を行うものとする。』
などとあるだけで、具体的な蚊対策も示されておらず、使用される殺虫剤等の危険性、ヒトや環境への影響についての注意もありません。

★東京都蚊媒介感染症対策会議報告書
【参考サイト】東京都:蚊媒介感染症対策に関する国への緊急提案について提言本文
           東京都蚊媒介感染症対策会議報告書について概要報告書本文

 小委員会では、東京都の「都蚊媒介感染症対策会議報告書」(昨年12月24日公表、全56頁)が資料として扱われています。
 同報告では、昨年夏のデング熱患者の発生状況をまとめ、その経験から、蚊対策については、蚊防除計画の策定、ヒトスジシマカのサーベイランス方法などが提案されています。さらに、
『(推定感染場所の周辺状況の確認)
  ○ 蚊の駆除等の対策を行うに当たっては、周辺環境を把握し、駆除等の範囲や
   実施方法を決める際の判断材料とする。
  ○ また、自然豊かな公園などの場合には、生態系の保護や環境への影響と、
   感染拡大予防のバランスについて十分配慮したうえで蚊の駆除等の実施方法を
   検討する必要がある。
 (生息調査)
  ○ 生息調査は、幼虫、成虫ともに実施する
 (駆除の実施)
  ○ 薬剤の選択や使用範囲・散布方法の決定の際には、住宅地が対象範囲に含まれる
   可能性があるため、住宅地に配慮した駆除が必要である。
  ○ 駆除作業の周知に当たっては、感染が推定される場所、特に個人宅や民間企業
   など、差別や風評被害につながらないように配慮して行うとともに、薬剤散布に
   あたっての事前の周辺への周知は以下の点に配慮して行う。
   *薬剤等の使用にあたっての注意事項
    ・散布時の窓閉め
    ・洗濯物等の管理
    ・ペットの管理(池や薬剤への接触)
    ・畑等の農作物への薬剤の影響』
 とあり、厚労省の指針よりは、具体的な記述が多くみられます。また、国への要望事項として、私たちの要望(記事t28006参照)と同じく、『薬剤散布の生態系への影響調査』も入っています。

 私たちは、要望と質問をだしていますが、回答はありません。
 殺虫剤散布の危険性や具体的な調査手引きや対策マニュアルの内容などについて、どんどん、パブコメ意見をだしましょう。
 厚労省4/28の報道発表:
     デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の対応・対策の手引き 地方公共団体向けについて
     蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針手引き及びパブコメ結果


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作成:2015-02-27、更新:2015-04-28