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t28506#ウメ輪紋ウイルス対策で、媒介昆虫アブラムシをネオニコ系で防除〜東京都青梅市内の住宅地で農薬散布#15-05
【関連記事】記事t28602
【参考サイト】農水省:植物検疫に関する情報にある
           ウメ輪紋ウイルスの防除についてウメ輪紋ウイルスの関係情報
       青梅市:Top Pageウメ輪紋ウイルス(PPV)情報
           ウメ輪紋ウイル防除のためにアブラムシの消毒にご協力ください

 東京都青梅市では、2009年に日本で初めてプラム輪紋ウイルス(PPV)のウメへの感染が確認され、梅輪紋ウイルスと呼ばれるようになりました。同市では、12年度までに、農家や植木などの感染又は感染の恐れのあるウメ約2万6千本を伐採、2013年には、梅の公園1266本を伐採したとのことです。その後、農水省の調査で、PPVは青梅市だけでなく、周辺市町や他県でも発見されています。
 横浜植物防疫所は、モモやスモモでは、「葉に退緑斑点や輪紋が生じるほか、果実の表面に斑紋が現れ、商品価値が失われたり、成熟前の落果により減収する」としていますが、ウメでは「葉に退緑斑点や輪紋が生じたり、花弁に斑入り症状が現れることもあるが、これまでのところ果実への顕著な症状は見られていない」としています。

★緊急防除に指定
農水省は平成22年1月に植物防疫法に基づき、「プラムポックスウイルスの緊急防除に関する省令」「同告示」を発出、その後、感染確認された地方自治体に「防除協力指示書」を出し、感染防止対策をとっています。同年2月の「プラムポックスウイルスの緊急防除実施について」(PPV通知)による対策は、ウイルスを根絶できないため、感染木の伐採、抜根、移動の禁止、ウイルスを媒介するアブラムシの防除などです。
 青梅市はウメが市のシンボル的な役割を果たし、果実の生産ばかりでなく、観光業としても大事な木であるとして、徹底的な防除対策をとっています。国や都の指導の下に、青梅市内の対象地域の感染する恐れのある樹木すべてを伐採し、3年後に新たな植樹をするという方針を立てています。
    規制対象となるウイルスの宿主樹木は、ウメ、モモ、スモモ、ネクタリン、プルーン、アンズ、サクランボなどです。
 そして、今年から市内全域の住宅地でウイルスを媒介するアブラムシ駆除のための農薬散布が「消毒」と称して、半強制的に実施されました。第一回目は、4月下旬に終わり、秋にもう一度散布する予定だそうです。散布農薬はチアクロプリドやアセタミプリドなどネオニコチノイド系農薬です。

★青梅市に質問と要望を行う
 農水省のPPV通知では、農薬を使用するときは「住宅地等における農薬使用について」を踏まえて実施すること、と記載されています。住宅地通知は、定期的、予防的な散布をやめることを求めているので、間逆のことが実施されているわけです。
 4月30日、私たちは青梅市に質問と要望を出しました。主な質問内容は、
  ・農薬散布を「消毒」というのはなぜか。
  ・散布してもらいたくない住民への対応は?
  ・対象地区内の一般住宅、学校、保育園等の公共施設の数や当該地の梅等の樹木数、
   感染樹木数。
  ・アブラムシの生息調査結果。・散布周知内容。
  ・人の健康への影響や環境調査。
  ・ネオニコ系農薬を安全が確認されたとして、使用したのはなぜか、などです。
 回答は記事t28602に示します。

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作成:2015-06-27