街の農薬汚染にもどる

t28804#北海道苫小牧市 道道中央分離帯20Kmに周知なしで除草剤散布#15-08
【関連記事】道路除草:記事t19204、鉄道除草:記事t24007記事t24409記事t25401記事t28803
      グリホサート(ラウンドアップ):記事t28401(IARCの発がん分類を2A)

 6月23日の苫小牧民報(報道記事)に、道道(北海道が管理する道)上厚真苫小牧線等の3路線の中央分離帯に大量の除草剤が散布され、散布した建設局が道から注意を受けたという記事が載っていました。写真を見ると、中央分離緑地帯が延々と枯れていました。
 住宅地通知を遵守するよう何度も通知が出されているのに、北海道が管理する道路でこのような除草剤の大量散布がなされたことに驚き、7月2日、関係部局に質問を出しました。
 7月10日に建設部維持管理防災課から回答がきました。かいつまんで報告します。

★北海道からの回答
1、住宅地通知の周知の時期
 住宅地通知はH25年5月10日に土木局道路課長から胆振総合振興局長等に、5月13日付で胆振総合振興局から室蘭建設管理部苫小牧出張所のほか所管各出張所あて周知。
2、道道の農薬散布についての指導
 平成9 年8 月20 日付けで土木部道路整備課長から各土木現業所(現・建設管理部)長あてに、道路除草作業における除草剤の使用に係る留意事項を周知。
3、苫小牧出張所への具体的な指導
 住宅地通知のほか、平成9 年8 月20 日付けで土木部道路整備課長から発出した通知「道路維持管理業務における除草剤散布について」を周知。
4、今回の除草剤散布の問題点
 散布は、局部的な使用に限ることとし、道路路肩や法面に対する全幅の連続散布は行わないこととした道通知の解釈誤認/除草剤散布に当たり、周辺住民に除草剤使用の目的、散布日時及び使用除草剤の種類等を幅広く周知してなかった。
5、本件の経緯
  ・平成27 年5 月12 日 散布計画を決定。
  ・5 月14 日 散布を開始。
  ・6 月17 日 道建設部に道民の方から苫小牧市内の道道の除草剤散布について問い
        合わせがあり判明。(計3件)
  ・6 月19 日 各建設管理部あてメールにて注意指導を周知。
  ・6 月23 日 建設部担当課長から各建設管理部長あてに「道路維持管理業務におけ
        る除草剤の散布について」を通知。
  ・6 月26 日から、当該道道の沿線町内会に散布の経緯などについて説明。
  ・7 月6 日 建設部担当課長から各建設管理部長あてに「道路維持管理業務におけ
        る除草剤散布に係る特記仕様書作成例一部改訂等ついて」を通知。
6、道路地域ごとの散布月日、散布距離
  ・平成27 年5 月14 日から6 月8 日までの間のうち14 日間で散布。
  ・苫小牧市内の3 路線で約55km の内、中央分離帯への散布延長は約20km。
7、使用された除草剤の名称等
  ・ラウンドアップマックスロード(グリホサートカリウム塩48%含有、登録第21766 号)
  ・希釈倍率:100 倍     ・薬量:50 リットル
  ・散布液量(希釈水量):5,000 リットル
  ・散布者:外部委託、  ・散布方法:人力散布(噴霧器に飛散防止カバー)
★情報公開で通知を入手
 周辺住民や道路通行者への周知のないまま、除草剤を散布したものの、ドリフトによる農作物の被害や人の健康異常の届けはないとのことでしたが、平成9年と平成27年に出された通知の内容を送ってほしいと要望したところ、情報公開請求をしてほしいとのことでした。正式に出された通知をなぜ、情報公開請求しないと送ってもらえないのか疑問に思いましたが、とりあえず、手続きをして送ってもらいました。

 平成9年の道路整備課長が出した「道路維持管理業務における除草剤散布について」には、国立公園内で除草剤を散布して高山植物を枯れさせ、知事が抗議されたことがあったため、再発防止のため、@今後は国立公園内等では除草剤を使用しない、A一般道路については「道路の除草作業における除草剤の使用について」で沿道環境に配慮した除草作業に努めることとあり、道路路肩や法面に全幅の連続散布は行わないことなど6点があげられています。
 北海道からの回答の中に、今回の問題点として「平成9年の道通知の誤認解釈」があげられていますが、どうやったら、この通知を「誤認」できるのか、わかりません。
 さすがに、北海道もこれはまずいと思ったのか、平成27年7月6日に建設局維持管理防災課維持担当課長名で、使用基準に誤認が起きないよう、再発防止のためのチェックシートを作成し、特記仕様書作成例の一部改定を通知しました。
 除草剤散布にかかわるチェックシートは、設計書作成時、事前調整時、施工計画書等確認時の3つに分けて、それぞれの項目に出張所、本部がチェックするようになっています。周辺住民へ周知するように、通学路等での散布には「万が一にも子供が薬剤を浴びることのないように最大限配慮」と書かれていますが、そういう場所では散布禁止にすべきではないでしょうか。
購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。
作成:2015-08-27