空中散布・松枯れにもどる

t28903#秋田県男鹿市で無人ヘリ墜落福祉施設の屋根破損#15-09
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【参考サイト】農水省;平成27年度以降に向けた無人ヘリコプターの
     安全対策の徹底及び平成26年度の事故情報の報告状況について
     無人ヘリコプターに関する情報にある無人ヘリコプター安全対策通知集
     無人ヘリコプター利用技術指導指針(H27/07/08最終改正版)

 8月8日、秋田県男鹿市で、農薬散布中の無人ヘリが近くの福祉施設に墜落、屋根の一部が破損しました。農薬危害防止月間の最中であり、無人ヘリ事故防止にも力が入れられていたはずなのに、事故はなくなりません。
 この事故の詳細について8月24日に農水省植物防疫課に問い合わせてみました。同課は9月4日に「本件につきましては、事故処理実施中であり、現時点でお答えすることは差し控えさせていただきます」と回答拒否してきました。この時点でまだ事故処理実施中とは信じられません。
 当グループは、秋田県にも同様の質問を出していました。秋田県農林水産部水田総合利用課は、9月11日付で事故に関する回答を送ってくれました。
 秋田県の今年の実施要領には「無人ヘリコプターによる防除においては、架線等の危険箇所の把握、操作要員及び補助員の配置、飛行経路の選定等について、実施計画策定時及び散布実施時に十分に検討し、確認するよう指導するほか、散布ほ場及びその周辺の地図を作成し、操作要員と補助員が連携して散布ほ場の下見を行うよう指導する」とあります。これが守られていたら事故は起きなかったはずなのですが。

★秋田県の回答
 秋田県の回答をまとめてお知らせします。男鹿市の事故のあった散布では、
   ・計画提出:平成27年5月19日
   ・散布日時:8月5日から10日
   ・散布目的:いもち病、斑点米カメムシ類による農作物の被害防止
   ・使用農薬:ラブサイドスタークルフロアブル(ジノテフラン・フサライド水和剤)
   ・無人ヘリ台数:1台
   ・周辺住民への周知:防災無線等
 機種と合図マンの配置状況については回答はありませんでした。

★事故状況など
 県の回答では、事故状況について「建物に隣接したほ場で散布を行っていた際、建物の屋根に衝突し、墜落しました。県では事故当日連絡を受け、事故情報の収集に当たりました」とありました。
また、被害状況については「燃料漏れ、農薬漏れ、人的、農作物及び環境被害はなく、建物の屋根の一部が損傷しました」とのことです。
 その原因については「オペレーターと合図マンの連携が不十分であった可能性があります」とのみありましたが、一番肝心なところが守られていなかったと思われます。
 今後の再発防止策としては「機体製造・販売メーカーが安全啓発と再発防止を指導しています。県としては事故情報の収集に努めながら事故防止対策の徹底を呼び掛け、次年度に向けて引き続き指導して参ります」ですが、業者に任せて大丈夫なのでしょうか。
 なお、報道も県も「福祉施設」の名前を明らかにしませんでしたが、当グループ の調査では特別養護老人施設「ゆりの希」でした。
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作成:2015-10-31