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t29608#蚊媒介感染症対策指針が改定された〜ジカウイルス感染症という病名追加のみ#16-04
【関連記事】デング熱蚊対策関連:記事t28504、ジカウイルス感染症関連:記事t29905
【参考サイト】厚労省:ジカウイルス感染症について。ジカ熱Q&A
「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針の一部を改正する件(案)」に関する意見募集について
反農薬東京グループの意見及びパブコメ結果
蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針(平成27年厚生労働省告示第260号)
2014年のデング熱の国内感染で、急遽策定された「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」(15年4月28日告示)を改定しようという動きがでて、厚労省によるパブコメ募集が2-3月に実施されました。これは、ブラジルでのジカウイルス感染症拡大に伴い、同症が「感染症予防法」の第四類感染症に指定されたことによるもので、改定案が具体的に示されないまま、国民の意見を聞くという形で行われ、37件の意見があったそうです。旧指針に「ジカウイルス感染症」という語句が7個所追加され、若干の文章の修正がなされただけで、新指針は3月30日に官報告示されました。
具体的な蚊対策が示されている「地方自治体向けの対策の手引き」も改定すべきとの意見が10件ありましたが、手引きの内容はそのままで、ジカウイルス感染症に対応するよう今後、更新するとのことでした。
また、マスコミ報道で問題となったジカウイルス感染症や殺虫剤と胎児の小頭症との関連についての質問等が13件あったそうですが、『今後の施策の参考とさせていただきます。』との返事でした。
以下に当グループの要望・質問に回答が、なかった2点の概要を示します。
★ボウフラ駆除剤スミラブの影響は
【参考サイト】KEGG MEDICUS:スミラブS粒剤「SES」の医薬品情報
住友化学:デング熱等の感染症予防に有効長期残効型の蚊発生源処理剤「スミラブ2MR」を開発(2015/01/28)
ブラジルにおけるピリプロキシフェンに関する一部報道に対する住友化学の見解 (2016/02/19)
WHO: Control in Drinking-water Sources and Containers
ボウフラ対策として、IGR系のピリプロキシフェン(日本ではスミラブとして知られる。以下「ピリプロ」)が、ブラジルでは、飲料用タンクのボウフラ対策用に投入されており、小頭症の発生は、この薬剤が関係するのではないかという報道がありました。同剤メーカーの住友化学は、スミラブは、WHO から飲料水に使用することが認められており、安全性に問題はない、と反論しています。
スミラブは、日本では、厚労省が承認した医薬品として、粒剤が販売されており、たまり水や雨水ますや流水域に投入され、使用上の注意として『使用目的以外の環境に影響を与えないために,養殖池,井戸,地下水などを汚染するおそれのある場所,蜜蜂,蚕(桑),水棲生物等に被害を及ぼすおそれのある場所では使用しないで下さい。なお,広範囲に散布する場合には,市町村や関連機関との連絡をとり,事故の発生防止に努めて下さい。』とあります。
これを読むと、日本では、飲料タンクへの投入ができないようです。ブラジルなどでは、ピリプロの投入濃度は、どのようになっているのでしょうか。また、ピリプロの乳剤やMC剤は農薬登録されているので、残留農薬としての摂取に、飲料水からの摂取を加算した上で、安全だとの根拠の科学的な証明も必要です。以下の質問・要望に、厚労省は何ら返事を寄越しません。
(1)ピリプロキシフェン製剤について、海外に輸出したり、援助・供与する場合、
製剤の使用方法(希釈倍率、使用濃度)はどうなっているか。また、使用上の注意には、
どのような記載があるか。飲料用貯水施設での使用については、どうか。
(2)輸出品などには、相手国の公用語や現地住民のネイティブ言語で、使用方法や
使用上の注意などを、きちんとラベル表示し情報を伝えているか。
★蚊忌避剤についての注意がない
【関連記事】記事t29905
【参考サイト】東京薬剤師会:ディート
私たちはディートを主とする蚊忌避剤について、不快害虫用虫よけ剤と明確に区別し、安易に使用することのないよう、指針に問題点と注意事項を記載するとともに、新たな通知でディート使用の注意を喚起することを求めましたが、実現していません。
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作成:2016-07-29