******************************** 路木ダム裁判福岡高裁不当判決声明 ********************************   私たちは福岡高裁の不当判決に対して下記の声明を発表し、  最高裁に上告しました。事実を無視し、黒を白と言いくる  める不正義な裁判所を許すことはできません。  最期まで闘います。   原告代表植村振作  -------------------------------------------------------       路木ダム住民訴訟原告団・路木ダム住民訴訟弁護団                                 2016年5月6日  4月25日福岡高等裁判所は、路木ダム住民訴訟の控訴審判決で、ダム計画の違法性と事業費 支出の差止を認めた1審判決を覆し、不当判決を下した。  この控訴審判決は以下の点で誤っている。  第1にダム建設の根拠となった昭和57年の路木地区での路木川の氾濫について、これがなかっ たとする1審判決を覆して、「なかったとは、断言できない」「過去の洪水の状況を最重要視 する合理性が見い出しがたい」「57年水害に関する事情が、計画の内容を左右する重要な前提 事実であったと考えることはできない」としている点である。そのうえで、「河川法は人家に たいする重大な被害が発生しなければ、ダム建設ができないとするものでは無いと解される」 とまで述べているのは河川法にも違反する暴論というしかない。  第2に本件の破堤想定について、1審判決が「本件計画規模を前提としても、本件破堤は発生 し得ない」「本件破堤想定は、事実的基礎に欠け治水経済マニュアル及び国交省回答に反し合 理性欠如が明らか」として、否定した破堤の事実も、堤内地盤高の位置を、破堤とは全く関係 ない位置に設定して「氾濫流の路木地区への流入想定は合理的である。」とした誤りである。 これも河川法に基づき法的拘束力を持つマニュアルに違反する判断でしかない。  第3に費用対効果について「B/Cが、1を下回り費用が便益を上回るとしても、当該工事の 要否、当否を決定づけるものではない」としたり「経済的な便益や費用対効果が当該工事の当 否を決定づける要素と評しうるものではない」などとして、費用対効果に全く考慮を払わない 点である。この点もそもそも費用対効果判断を行政決定の基本とする裁量権の範囲を全く検討 しておらず、お粗末な判断としか言いようがない。  その他、利水についても「八久保ダムの存在を考慮する必要がない」「人口推計は水道事業 者がするべきことで知事がその確認をすべきであったとはいえない」などおよそ公共事業につ いて国民がその審査を求めること自体を否定している。  私達は、このような不当かつ明らかに違法な判決を下した福岡高等裁判所に対して強く抗議 するとともにこの判決の不当性を明らかにするために最高裁判所に上告して争うものである。  これまでの闘いに暖かい御支援をいただいた皆様に感謝申し上げるとともに更なる戦いに対 しても御支援いただくことを訴えるものである。