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t29806#柔軟剤など香料不使用を宅配会社に要望するも無視〜会社本部に電話しよう(香料自粛を求める会)#16-06
 近年、香る洗濯用柔軟剤や洗剤、香り着き整髪料や制汗剤、芳香剤・芳香消臭スプレーが世に溢れています。外出すると、すれ違ったり同席した人々から、自宅では近隣の洗濯物や来訪者からの、強烈な香料や残り香を日常的に感じさせられています。さらに、一部の鉄道駅やホテルのロビーなどでは、香りが意図的に空間に放たれています。
 しかし、化学合成された香料にはアレルギー、神経毒性、内分泌かく乱作用、デトックス阻害作用などの健康影響があると、専門家は指摘しています。そして実際に香料で、吐き気・咳・喘息・頭痛・目の痛み・めまい・体のだるさ・気分のイライラなどの健康被害を受ける人がいます。特に健康被害はなくても、不快感を感じる人もいます。そうした香料被害者を中心にした市民団体らの働きかけで、「香料自粛のお願い」などのポスター作成・掲示が、2005年の岐阜市に始まり、岐阜県内・大阪府内・埼玉県ほか各自治体でなされています。  香料成分については表示義務が日本ではまだありませんが、EUでは2013年からアレルゲン性香料の一部を成分表示する規制が始まっています。その2013年6月、環境省は女性クールビズとして、香り着き柔軟剤や制汗剤などの利用を、におい対策として推奨しました。ですが健康被害を危惧した反農薬東京グループ等の、市民団体らの抗議で撤回しています。
 同年9月には国民生活センターが「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供」の報道発表をしました。その中で「消費者へのアドバイス」として、「自分にとっては快適なにおいでも、他人は不快に感じることもあるということを認識しておきましょう」などとしています。それらを受けて各地の消費者センターは、「いい香りで体調不良柔軟仕上げ剤こうして防ぎましょ う」(2013年12月埼玉県)といった広報をしました。メーカー各社も「香りのマナー」として「周囲の方へご配慮のうえ、お使いください」(花王)などと、HPやCMで記すようになりました。

【関連記事】記事t25007(消費生活センター)、記事t26207(環境省クールビズ)、
       記事t26606(国民生活センター)、記事t26607(文科省に啓発要望)
【参考サイト】国民生活センター柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供報告書
       花王柔軟仕上げ剤の香りの強さの目安一覧
       P&G日本当社の柔軟剤の香りレベルの目安
       化学物質問題市民研究会にある化学物質過敏症と電磁波過敏症(国内)の頁
        香料自粛のポスター:埼玉県愛知県がんセンター中央病院岐阜市
                  大阪府阪南市大阪府和泉市
       渡部さんの環境汚染問題のHP:Top Page香料と消臭剤

★宅配便会社へ要望
 2013年10月に日本消費者連盟関西グループが、グループ会員に行ったアンケート調査で、香りで気分が悪くなる原因とされた項目の中に「宅配便などの配達員の衣類」がありました。具体的には「宅配荷物に付いた柔軟剤臭」「(香料が)ひどく臭う時は、お店の責任者に話して対処してもらう」という回答もありました。
 そこで今年1月末、香料被害問題に取り組んできた、各務原ワークショップ・香料自粛を求める会・日本消費者連盟関西グループ・反農薬東京グループは「着香製品使用について配慮のお願い」という質問要望書を、佐川急便西濃運輸日本通運日本郵便福山通運ヤマト運輸の6社の社長宛てに郵送しました。
    着香製品使用について配慮のお願い

★要望は無視された
 締切りまでに回答してきた会社は無く、電話で様子を尋ねた結果が以下です。
 【佐川急便総務課】当社の方針で、この件についての回答は差し控える。

 【西濃運輸お客様相談センター】文書は届いたが回答しない。

 【日本通運総務】香りについては個性があり、難しい問題なので文書回答はできない。

 【日本郵便お客様サービス推進部】当社としてコメントできる内容ではないので、お答えしない。

 【ヤマト運輸サービスセンター】回答は差し控える。

 【福山通運総務課】(電話を受けての郵送回答)「配達員や荷物の香料に関する苦情を受け付けた記録は
    ありません」ので「使用規定を設けておりません」「香料被害に特化した申し出窓口も設けておりません」
 西濃運輸・ヤマト運輸は理由なく、佐川急便・日本通運・日本郵便は理由にならない理由で、何の回答もありません。各社には香料問題の資料も複数、送付しています。それなのにこの対応は、会社と取引のある着香製品メーカーに配慮してのことなのか、各社の香料問題への認識不足のためかと思っていました。

★会社本部に苦情を言おう
 最近、次のような訴えがありました。ヤマト運輸の宅急便の柔軟剤らしき香料で体調不良になり、地元コールセンターに苦情を言った。すると営業所から「清潔を売り物にしているので、柔軟剤を使うなとは言えない。汗臭いという苦情がある。一人の人のために対応できない。嫌なら他の業者にしてくれ」と電話があった。そこでヤマト運輸の本部に電話し「本部が柔軟剤を使えと言っているのか」と聞くと「そんなことはない」と、地元の営業所に対処するよう話すとのことだった。
 この様に利用者の苦情が、地元コールセンターか営業所どまりになっていて、要望質問書を出した各社本部にまで、香料被害の声や実態が届いてないのかと思います。本部に、香料被害の苦情や実態を集中する必要があります。最近、香料被害を受けた・過去に苦情したが改善がないなどの声を、皆さん、下記の各社本部に届けて下さい。SNS等での呼びかけ拡散も歓迎です。宅配会社に香料被害の深刻さを自覚してもらい、対応改善を求めていきましょう。
    ○佐川急便本社(京都府)総務課 075-681-8181
    ○西濃運輸本社(岐阜県)お客様相談センター 0584-81-1111
    ○日本通運本社(東京都)総務 03-6251-1111
    ○日本郵便本社(東京都)お客様サービス推進部 03-3504-4411
    ○福山通運本社(広島県)総務課 084-924-2000
    ○ヤマト運輸本社(東京都)サービスセンター 03-3541-3411

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作成:2016-06-30