空中散布・松枯れにもどる
t30909#天草だより 第206回 空散反対運動も共謀罪適用!? (植村振作)#17-05
◆自家採取しながら50年余り作り続けている、少し粘りの強いオクラのポット苗の本葉が伸び初めました。本葉が伸び始めると直根も伸びだし、移植時に直根を痛めてしまうので、今日慌てて定植しました。
◆今日はきれいな青空です。しかし、気分は晴れません。与党(自民・公明党)と維新の会が、共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案)を衆議院法務委員会で、民進、共産両党の抗議を押し切って、賛成多数でとうとう可決しました。
この後、衆院本会議で可決して、参院に送られ審議されることでしょうが、参議院法務委員会でも多数を占める与党及び維新の会が強行採決し、共謀罪法が成立するかも知れません。ああ、どうなるのか、この先の日本が思いやられます。
◆大阪・高槻市にいた時のことです。1975年5月、大阪府と高槻市・茨木市相手に8時間に亘って、松枯れ防除のための農薬空中散布について公開討論会を開き、行政側の主張(空散効果、安全性、環境影響等)を徹底的に潰しました。これを聞いていた高槻市の農林組合長が“もう、ええわ”と一言漏らし、その結果、高槻・茨城での空散は中止になりました。議論して、皆の納得を得ることの大切さを痛感しました。
ところが、府内の他の町ではそれでも空散をするので、抗議と空散実施状況を確認するために空散が始まる早朝(高槻を仲間と出発する時は大抵真夜中でした)に現地のヘリポートに行き、現場責任者に空散中止を求めて抗議していました。そうすると、決まって大阪府警の警官がやって来ているのです。どの町に行った時でもそうでした。 当時、警察は公務執行妨害など変な言いがかりを付けてくることはありませんでした。
でも、共謀罪法案が成立すれば、誰と何処で現場での抗議について共謀したのかなど捜査対象にされることは必至です。
ある時は、空散境界で空散反対のアドバルーンを挙げました。アドバルーン掲揚については特定の地域を除いて規制されていません。その時も何事もありませんでした。法案が成立すれば、アドバルーン掲揚は威力業務妨害だとか航空の危険を生じさせる虞があるということで共謀罪法を適用して、何処でバルーンやヘリウムを買って準備したかなど捜査され、空散反対運動グループへの圧力を掛けてくるに違いありません。
共謀罪法は「一般市民を対象としているわけではない」と安倍総理は言いますが、悪名高い治安維持法も当初は「今の社会運動が抑圧されるようなことは無い」(当時の警視庁)と言っていたそうです。しかし、後に治安維持法で何万人もの市民が逮捕・投獄されました。
共謀罪法がそうならないとは云えません。正当な市民活動・政治活動の萎縮を狙った法律です。政府の政策に異を唱えることができた日本を壊される前に、安倍政権を潰さなければ、と苛立ちを覚えています。
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作成:2017-05-25