食と健康


活性酸素を除去し、癌の抑制も
コーヒーが煮出し飲料として飲まれるようになったのは、13世紀半ばごろ。
コーヒーは、アラビアを中心とするイスラム教の国々で愛飲され、後に欧州に伝わりました。それ以前は、主に薬として用いられていたといいます。
コーヒー豆にはビタミンB2、ナイアシン、カリウムなどの栄養的な成分も含まれていますが、コーヒー特有の有効成分としては、クロロゲン酸(コーヒー酸誘導体の一種)とカフェインが挙げられます。
クロロゲン酸は、コーヒー豆の芳香成分。この成分と焙煎によって生じる芳香成分(カフェオールなど)が微妙に混ざりあい、コーヒーの銘柄による香りの違いを生み出しています。
クロロゲン酸は筋肉を収れんさせる作用を持ちますが、最近では、癌や老化の誘因となる活性酸素を捕捉し除去する抗酸化物質として注目されています。 米国では、コーヒーをよく飲む人は大腸癌になりにくいという疫学調査の結果もあります。
苦みの成分であるカフェインは、キサンチン誘導体の一種で眠気や疲れを取って気分をスッキリさせる中枢神経興奮作用や強心作用、利尿作用、気管支拡張作用、血管拡張作用など幅広い薬理作用があり、強心薬や気管支喘息薬として臨床で用いられています。