食と健康


キャベツはブロッコリーやカリフラワーと同じくアブラナ科の野菜。
あくがなく、生ではもちろん、加熱しても食べやすいキャベツは、実にさまざまな料理に利用されています。 栄養成分としては、ビタミンCを多く含み、外葉2枚を生で食べると、ビタミンCの1日の所要量を摂取することができます。
また、納豆には及ませんが、キャベツはビタミンKを多く含む食品の1つにも挙げられます。
●キャベツに含まれる抗潰瘍因子
キャベツには胃潰瘍や十二指腸潰瘍を改善する効果があり、その名前にちなんだ医薬品まで開発されていることはあまりにも有名な話です。
1956年、アメリカの研究グループがキャベツの汁液に胃潰瘍の治癒を促進する効果があることを報告しました。
その後、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの患者を対象とした臨床研究がアメリカやスイスで繰り返し行なわれ、キャベツの汁液が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治癒期間を短縮すること、小腸や大腸の炎症症状にも効果を示すことが確認されたのです。
ただし後に、これら効果は生のキャベツ汁にしかなく、加熱すると有効成分が失われることがわかりました。
この成分は抗潰瘍因子と命名され、当時はビタミン研究が盛んな時代だったので、この成分もビタミンの1種だとみなされて、ビタミンUとも称されました。
Uという呼称はulcus(潰瘍)に由来しています。
今日では、この成分がビタミンではなく、アミノ酸の1種(メチルメチオニンスルホニウムクロリド)であることがわかっています。