Back

Index

検査数値 と 参考データ
 

検査数値 と 参考データ



血液一般検査
項 目 正 常 値 数値が増減すると 参 考 説 明
 赤血球数
    R
男 430〜530/μl
女 380〜480/μl
↑脱水、多血症 血液が粘性になり、つまりやすくなる
↓貧血、出血 出血の場合は、出血源を見つける
 ヘモグロビン
    Hb
男 13〜18g/dl
女 11〜16g/dl
↓Rが正常な場合は低色素性貧血 Hbは蛋白質と鉄でできていて酸素を運ぶ。鉄欠乏性貧血とも呼ぶ
 ヘマトクリット
    Ht
男 40〜50%
女 11〜16
↓貧血の種類を判断する 血球中の赤血球の容量を示す。
赤血球との比で赤血球の大きさを知る
 白血球数
    W
4500〜8500個/μl ↑肺炎、虫垂炎などの化膿症、白血病 白血球はは絶えず細菌と戦っているので、多少多くなることはよくある
↓薬の副作用、放射能障害、血液疾患 血液像(白血球の種類)を調べて異常がなければ、3000前後は体質と考える。
 血小板数 10〜35万個/μl ↑慢性白血病 中高年では、多いと血栓を促す
↓血小板減少症 止血しにくくなり、紫斑病、内臓出血を起こす

 


たとえば体重50Kgの人の場合、体内には4リットルほどの血液があります。
血液検査では、腕などの静脈から血液を採取しますが、この血液をヘパリンなどの抗凝固剤を加えて遠心沈降させると、血漿成分と有形成分に分離します。
このうちの有形成分が血球です。
血球には、「赤血球」・「白血球」・「血小板」の3種類があり、これらの数などを計測するのが血球検査です。
健康診断などで血液検査を行う場合には、同時に「赤血球数」・「白血球数」・「ヘモグロビン濃度」・「ヘマトクリット値」「血小板数」の5種類をセットで測定するのが普通です。

■ 赤血球 ■
血球の一つである赤血球は、血色素であるヘモグロビンを多量に含んで赤い色をしています。
ヘモグロビンは、酸素と結合し全身に酸素を配給する役割を果たします。
赤血球の数、もしくは赤血球に含まれるヘモグロビンが不足すると、体内に酸素が不足し、動悸、息切れ、頭痛、耳鳴り、めまいなどの症状が表れますが、これが貧血です。
貧血が起きてる場合、血液検査データには、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン濃度(Hb)、ヘマトクリット値(Ht)の低下として表れます。
赤血球数は血液1μl当たりの赤血球の数、ヘモグロビン濃度は血液1dl当たりのヘモグロビンのグラム数、ヘマトクリット値は血液中に占める赤血球の容積比のことです。
貧血と言えば、女性に多くみられる「鉄欠乏性貧血」が有名で頻度も最も高いが、悪性腫瘍・膠原病・肝障害・腎不全など、様々な疾患に伴う「二次性貧血」も少なくありません。
また、ビタミンB12の欠乏によって骨髄の幹細胞での赤血球の成熟が障害されて起きる「悪性貧血」、自己免疫性疾患や服用薬剤などが原因で赤血球が破壊される「溶血性貧血」、外傷や消化管内出血などで大量の赤血球が損失して起きる「出血性貧血」などがあります。

■ 白血球 ■
白血球は、好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球の5種類に分類できます。
白血球に関する検査では、血液1μl 当の白血球総数を示す「白血球数」と、白血球に占める上記5種類の存在比率(%)を示す「白血球像」が基本となります。
白血球の基準範囲は、4000〜1万/μl 前後ですが、この数が増加している場合は、体の中のどこかで炎症が起きていると推測できます。
白血球が5万/μl 以上と顕著に増加している場合は白血病を疑います。
逆に500/μl 以下に減少し発熱があれば、細菌感染が重篤化した敗血症を疑います。
5種類の白血球の中で、多くの割合を占めるのが好中球とリンパ球です。
細菌感染を原因とする炎症が起きている場合には、好中球の割合が増加します。
好中球の増加は、細菌感染による炎症以外に急性出血や心筋梗塞、膠原病など様々な疾患で起きます。
一方、インフルエンザ、麻疹、風疹などのウイルス感染症の急性期にはリンパ球の割合が増えます。
好中球とリンパ球以外の白血球は、0〜数%と存在比率が低いが、これらが疾患により増加する場合もあります。
具体的には、「好酸球」が増加するのは アレルギー疾患、寄生虫感染症、皮膚疾患など、「好塩基性球」が増加するのはアレルギー疾患、慢性骨髄性白血病など、「単球」が増加するのは膠原病や感染症などです。
■ 血小板 ■
血管が損傷を受けると、損傷部位に血小板が接着して種々の血液凝固因子と共に血栓を作り、止血します。
したがって、血小板数が極端に減少すると出血しやすくなり、逆に増加すると血栓が生じやすくなります。
血小板数減少の原因としては、肝硬変での脾腫による破壊亢進や急性白血病、再生不良性貧血などによる骨髄での血小板産生低下などが考えられます。


Back