■生活習慣病  急を要する見方
 

急を要する見方


 目の前で人が倒れたり、非常に苦しそうだったりする場合、すぐに救急車を呼ぶべきか、
それとも寝かせて様子を見てもいいのか、迷うことがよくあります。
 大事なことは、原因の判断ではなく、緊急かどうかの判断です。その判断を誤らなけれ
ば、大事にいたらずにすみます。ここでは事故の場合以外の、成人の急を要する症状の見分け方にしぼって解説したいと思います。


●意識・呼吸・脈が3大ポイント
 秒を争うのが、意識がなく、呼吸していず、脈もないという場合で、これは即死に近い状
態です。呼吸が止まると3分で脳が死にますから、ただちに人工呼吸(P77ページ)を始
める一方、大至急119番に電話し、救急車を呼ぶこと。意識がないときには、まず気道
確保をしてから、人工呼吸を行います。
 また、倒れる前の様子や訴え、たとえば「頭が痛い」といって倒れたのか、胸を押さえな
がら倒れたかなどが、非常に大切です。


●気道確保し、 人工呼吸と心臓マッサージを
 脈もなければ、心臓マッサージも並行して行わなければなりませんが、こちらは心臓が止まって30分たっても再び動きはじめる可能性はあります。できるだけ周囲の人と力を合わせて、あきらめずに続けてください。


●ショックがあるときも危険
 意識があり呼吸もしていても、数分後に意識を失って、呼吸が止まり、危険な状態にな
ることもあります。青い顔色、紫の唇や爪、冷や汗などは、危険な兆候です。
 血圧が低下して手足が冷たくなり、意識がもうろうとしてくる状態を、「ショック」といい、急激な循環不全の症状です。
 ショックに陥ったら、安静にして保温し、救急車を呼ぶとともに、よく観察し、呼吸が止まったら、すぐに人工呼吸を始めます。


●激しい胸痛・激しい頭痛・激しい腹痛も、 重症が多い
 締めつけられるような胸の痛み、呼吸困難をともなう胸の痛み、吐き気・めまい・発熱・
意識障害をともなう激しい腹痛は、いずれも重症です。救急車を呼んで、至急、病院へ運
ぶこと。


●悪寒・戟懐と高熱は、急性の感染症
 寒気を訴えてガタガタふるえ、それに続いて38度以上の高熱が続く状態は、比較的重い
感染症が疑われます。
 救急車を呼ぶほどではありませんが、できるだけ早く医師を受診すること。


●血を吐いたら急いで医師のもとへ
 吐血と喀血も、一刻を争うほどではありませんが、消化管または気道の病気、またはそ
れの悪化が考えられます。吐いたものを持って、医師の診断を受けること。


Home