症状と徴候
急性痛風関節炎は前兆なしに現れる。小さな外傷、プリン体が豊富な食品やアルコール類の過剰摂取、手術、疲労、精神的ストレス、医学的ストレス(例、感染、血管閉塞)によって突然起こる。急性の単関節痛もしくはそれほど多くはないが多関節痛や、しばしば耐え難いほどになる。徴候は腫脹、熱感、発赤、および鋭い圧痛であり、急性の感染症と似ている。患部を覆う皮膚は緊張し、熱をもち、光沢があり、赤色または紫色を示す。母趾の中足趾節関節に最も多くみられる(足痛風)が、足の甲、くるぶし、膝、手根、肘もまたよく罹患する部分である。発熱、頻脈、悪寒、倦怠、および白血球増加が起こることがある。
最初の数度の発作は、通常単関節に起こるのみであり、数日間しか続かないが、その後の発作は数カ所の関節に同時にかまたは連続的に起こることがあり、治療をしないと数週間持続することがある。局所の症状や徴候はやがて消退し、関節の機能は回復する。症状の起こる間隔は様々であるが、病気が進行するにつれて短くなる傾向がある。予防をしなければ、毎年数回の発作が起こり、慢性の関節症状は永久的なびらん性関節変形へと進展することがある。運動制限がしばしば手足の複数の関節に起こり;まれに肩関節、仙腸関節、胸鎖関節や、頸椎にも起こる。尿酸の沈着は滑液包や腱鞘の壁中のよくみられる。手足の痛風結節が大きくなると噴出し、尿酸結晶のチョーク様の固まりを排出することがある。シクロスポリンが原因の痛風は手の関節に加えて、しばしば股関節や仙腸関節のような大関節に始まり、尿細管をさらに障害する。
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