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麦門冬湯 ばくもんどうとう

 

麦門冬湯

ばくもんどうとう

 

<中医処方解説>

麦門冬10.0、粳米8.0、半夏6.0、大棗3.0、甘草2.0、人参2.0

 

麦門冬で肺胃の陰液を滋潤して熱を冷まし、粳米・大棗・甘草・人参で
補気健脾・清津して麦門冬を助けます。辛温で燥性の半夏を加えると、
滋潤薬により半夏の燥性と温性が消失し、半夏の燥性により滋潤薬の
粘滞性が除かれ、半夏のもつ降逆下気の効能により咳を止めます。

 

効能       陰益気・補益肺胃・降気

適応症      気陰両虚:慢性の咳嗽(咳こんでなかなか止まず顔が紅潮する
                 ことが多い)・咽喉の乾燥感と刺激感・少量の粘痰
                 あるいは無痰・口渇などの肺陰虚の症候と、息ぎれ・
                 疲れやすいなどの気虚の症候がみられる。舌質は
                 紅で乾燥・舌苔は少い・脈は細数。
          胃気陰両虚:口渇・咽の乾燥感・乾嘔・吃逆・食欲不振・便が
                  かたいなどの胃陰虚の症候に、元気がない・
                  疲れやすい・息ぎれなどの気虚の症候をともなう。
                  舌質は紅で乾燥・舌苔は少いあるいは半載剥苔・
                  脈は細数。
                  肺胃の両面の症候が同時にみられることも多い。

臨床応用    慢性気管支炎・慢性咽喉炎・肺結核・気管支拡張症・慢性胃炎・
          萎縮性胃炎・熱病の回復期などで、肺胃の気陰両虚を呈する
          もの。

 

麦門冬湯は、漢方の原典と言われる中国の「金匱要略」に記載されている
薬方です。
のどの乾燥感・刺激感があって咳き込む、痰は出ないが からんで切れにくいと
いった咳に用いられます。
痰のきれにくい咳、気管支炎、気管支ぜんそく

 麦門冬湯