《半夏厚朴湯》
<中医処方解説>
半夏6.0、茯苓5.0、厚朴4.0、蘇葉2.5、生姜2.0
|
行気解鬱の厚朴・蘇葉と降逆化痰の半夏・生姜及び滲湿の茯苓。
肝鬱を開いて気機を通じ、痰を除き胃気上逆をしずめます。 |
効能 理気降逆・化痰散結
適応症
痰飲による胃気上逆:悪心・嘔吐・吃逆に上腹部膨満感や
つかえなどの気滞の症状をともなう。
舌苔は白膩・脈は滑。
痰湿による肺気逆:咳嗽・白色の喀痰・咽喉部の刺激感・嗄声・
胸部が脹って苦しいなどの症状で、
甚しければ呼吸困難あるいは喘息様発作を
ともなう。軽度の浮腫を生じることのある。
舌苔は白膩・脈は滑。
梅核気(痰気欝結):咽に梗塞感があり吐いても出ず
のみこんでもとれない。ただし食事などの
嚥下に障害はない。
舌苔は白〜白膩・脈は滑。
臨床応用 神経性胃炎・胃炎・気管支炎・気管支喘息・咽喉炎・声帯浮腫・
神経性嘔吐・妊娠嘔吐・咽部神経症・ヒステリーなどで、痰飲・
痰湿による気逆あるいは痰気
欝結を呈するもの。 |
半夏厚朴湯は、漢方の原典「金匱要略」という書の婦人雑病篇に記載されて
おり、胃腸が弱く
気分がふさいで晴れ晴れしないといった神経症状の人に
用いる薬方です。
このような人は、咽喉や食道部に物がひっかかり、ふさがった感じがして物を
飲み込もうにも飲み込めず、咳払いして吐き出そうにも
どうにもならない、
といった症状や、めまい、動悸、悪心、嘔吐がしたり、胃がゴロゴロなったり
する症状がよく見られます。
半夏厚朴湯は、このような症状の人に用いられます。
気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、嘔気などを
伴う次の諸症状:
不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声 |
|