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人参湯 にんじんとう安中散 安中散急性胃炎・慢性胃炎・胃十二指腸潰瘍・慢性膵炎

 

人参湯

にんじんとう

 

<中医処方解説>

人参4.0、白朮4.5、甘草3.0、乾姜1.5

 

温陽散寒の乾姜と補気健脾の人参・白朮・炙甘草の配合で、脾陽を温補する。
気虚・陽虚の寒凝に対しても有効である。

 

効能        温中散寒・補気健脾

適応症       脾胃虚寒  :倦怠無力感・食欲不振・息ぎれ・声に力がない・
           (脾胃陽虚) 味がない・腹がよく脹るなどの脾胃気虚の
                    症候に、腹痛(冷えると増強し暖めたりおさえると
                    軽減する)・口は渇かない(飲む場合には暖かい
                    ものをこのむ)・嘔吐・つばやよだれが多い・尿が
                    うすく多量・手足や腹の冷え・泥状から水様便
                    (ときには便秘)などの虚寒の症候をともなう
                    もの。舌質は淡白・舌苔は白滑・脈は沈細
                    あるいは沈遅。
           脾胃実寒      :冷たい飲食物のとりすぎや寒冷の環境に
           (寒邪直中・中寒) よって急激に発生する。腹痛・嘔吐・下痢
                       (頻回で泥状〜水様)・腹部膨満・上腹部の
                        つかえなどの症候。口渇はなく、手足の
                        冷えや顔面口唇の蒼白がみられる。
                        舌苔は滑・脈は沈遅。

臨床応用     慢性胃炎・胃十二指腸潰瘍・慢性結腸炎・消化不良症・
           その他の慢性疾患で、脾胃虚寒の症候を呈するもの。
           あるいは急性胃炎・急性腸炎などで、脾胃実寒(寒邪直中)を
           呈するもの。

 

この漢方薬は、中国の漢方の原典である「傷寒論」に収載されている薬方です。
別名を「理中丸」ともいわれ、理中とは胃腸の機能の衰弱に効果があるという
意味です。
手足や腹が冷え、小便がうすく多量で回数が多い、倦怠感や食欲不振などが
ある場合の下痢、胃痛、嘔吐に用いられ、胃腸虚弱で正気に乏しいような人に
用いられます。
また冷たい飲食物の取りすぎや急な冷えのためにおこした腹痛や下痢、
嘔吐などにも用いられます。手足が冷えやすく、
尿量の多いものの次の諸症状 : 胃腸虚弱、胃アトニー、下痢、嘔吐、胃痛。

 人参湯