《苓桂朮甘湯》
<中医処方解説>
通陽化気の桂枝と健脾利水の白朮・茯苓・甘草の配合により、
水飲の運輸を強めて水飲の産生を防止します。
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効能 温化寒飲・健脾利水
適応症
脾虚の寒飲:疲れやすい・食欲がない・めまい感・立ちくらみ
などの脾虚の症候に、悪心・嘔吐・上腹部膨満感・
腹鳴・胃部の振水音あるいは多量の白痰・咳嗽
あるいは軽度の浮腫などの痰飲・水湿の症候が
みられ、四肢の冷え・動悸・耳鳴・肩こりなどを
ともなうことが多い。舌質は淡紅で胖大・舌苔は
滑〜白滑・脈は沈。
臨床応用 起立性失調症・神経循環無力症・自律神経失調症・偏頭痛・
耳鳴・眩暈・乗物酔い・低血圧症・慢性胃炎・慢性気管支炎
などで、脾虚の寒飲を呈するもの。
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この漢方薬は、中国の漢方の原典である「傷寒論」や「金匱要略」に記載され、
水毒によっておこる諸症状の治療に用いる代表的な薬方です。
漢方では胃内停水で過剰な水分があったり、尿量が少なく体液の調節がうまく
いかず、体内の水分の偏在、代謝異常の症状を水毒といい、この水毒が
神経質や頭痛、ふらつき、めまい、息切れ、動悸などを起こす大きな原因の
一つと考えています。
この処方は、これら水毒症に用いられる漢方薬です。
めまい、ふらつきがあり、または動悸があり、尿量が減少するものの次の諸症=
神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛
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