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竜胆瀉肝湯 りゅうたんしゃかんとう

 

竜胆瀉肝湯

りゅうたんしゃかんとう

 

<中医処方解説>

当帰4.0、地黄5.0、木通3.0、おうごん3.0、沢瀉3.0、車前子3.0、
龍胆1.0、山梔子1.0、甘草1.0

竜胆草・黄ゴン・ 山梔子で肝火を冷まし湿熱を除き、疏肝の柴胡で火鬱を
宣泄し、沢瀉・木通・車前子で湿熱を尿として排泄します。滋陰養血の地黄・
当帰は、火熱による傷陰と、清熱利湿薬による陰血の消耗を防ぎます。
甘草は清熱解毒と諸薬の調和に働きます。

 

効能       清肝瀉火・疏肝解欝・清熱利湿

適応症      肝胆火旺    :はげしい頭痛・目の充血・目やに・眼痛・口が
           (肝火上炎)  苦い・急性の難聴や耳鳴・耳痛・胸脇部の脹った
                    痛み・いらいら・怒りっぽい・不眠・尿が濃い
                    などの症候。舌質は紅・舌苔は黄・脈は弦数。
                    黄疸がみられることもある。
          下焦の湿熱:排尿痛・頻尿・濃縮尿・排尿困難、あるいは
                  陰部湿疹・陰部の腫脹疼痛・黄色の帯下などの
                  症候。舌質は紅・舌苔は黄膩・脈は弦滑数。

臨床応用    高血圧症・自律神経失調症・急性結膜炎・急性中耳炎・耳前庭や
          外耳道の癰・急性胆のう炎・急性肝炎などで、肝胆火旺を呈する
          もの。急性尿路系炎症(腎盂炎・膀胱炎・尿道炎)・急性睾丸炎
          および副睾丸炎・急性湿疹・急性骨髄内炎症・急性前立腺炎・
          膣炎・帯状疱疹などで、湿熱を呈するもの。

 

この漢方薬は下半身の諸炎症で、充血、腫脹、疼痛を伴っているものに
用います。
即ち、尿道炎、膀胱炎、帯下、子宮内膜炎など、現代医薬では抗生物質が
用いられる下焦(骨盤内臓器)の炎症の人に本方が適用されます。
比較的体力があり、下腹部筋肉が緊張する傾向があるものの次の諸症=
排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ。

 竜胆瀉肝湯