《釣藤散》
<中医処方解説>
石膏5.0、菊花3.0、釣藤3.0、陳皮3.0、人参3.0、麦門冬3.0、
防風3.0、茯苓3.0、半夏3.0、甘草1.0、生姜1.0 |
熄風の釣藤・菊花・防風で内風をしずめ、化痰の陳皮・半夏で痰を去り、風痰に
よるめまい・頭痛を取り除きます。人参・茯苓・甘草は補気健脾により痰の内生を
防止します。生熱の石膏・清心除煩の麦門冬・安神の茯苓は、熱を冷ましのぼせ・
イライラ・不眠などを解消します。 |
効能 平肝潜陽・明目・補気健脾・化痰
適応症
脾胃気虚・痰湿の肝陽化風:頭のふらつき・めまい感・頭痛・
耳鳴・顔面紅潮・目の充血・目がかすむ・いらいら・肩こり・
眠りが浅い・手足のふるえなどの肝陽化風の症候に、
食欲不振・元気がない・疲れやすい・悪心・嘔吐・咳嗽・喀痰・
腹が脹るなどの脾気虚・痰湿の症候をともなう。
舌質はやや紅・舌苔は膩・脈は弦軟やや数。
臨床応用 自律神経失調症・高血圧症・脳動脈硬化症・脳血管障害・
耳鳴・頭痛症・不眠症などで、脾気虚・痰湿・肝陽化風を
呈するもの。 |
この漢方薬は、中国の「類証普済本事方」という書物に記載されている頭痛の
薬方です。
中年以降の神経質で
のぼせ症の人が、高血圧の傾向や動脈硬化のために
後頚部から天頂にかけておこす頭痛で、耳鳴り、めまい、肩こり等の神経症状を
ともなうことが多くみられます。
また
この頭痛は、あまり激しいものではなく、頭重に近い事が多く、目が
さめた時から午前中におこり、おきて動いていると
いつの間にか忘れてしまうと
いうような症状も
比較的多くあります。
本方は、このような症状の時に
用いられる漢方薬です。
慢性に続く頭痛で中年以降または高血圧の傾向があるもの |
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