生薬名 |
阿膠(あきょう) |
基 原 |
ウマ科 Equidae 驢 Equus asinus L.
(ロバ)の除毛した皮を煮つめてつくったニカワ塊。蛤粉で炒って珠にしたものを阿膠珠という。 |
性 味 |
味は甘、性は平。(帰経:肺・肝・腎経) |
主成分 |
gelatin ・ collagen を含む。加水分解により
lysin ・ arginine ・ histidine ・ cysteine
などを産生する。カルシウム・イオウも含む。 |
薬理作用 |
補血・止血(軽度の出血に使用するだけで、重症の出血には効果がない。)・滋陰・潤燥。また動物実験によると、筋肉の栄養障害の進行を予防する。これは食物中のビタミンE酸化を防止することによるらしい。 |
臨床応用 |
- 陰虚の出血に用いる。特に燥咳・虚熱などの症状がある肺結核の喀血に適している。
機能性子宮出血に対する常用薬である。
- 心血虚に使用する。胸があつ苦しい・不眠・舌質紅・脈細数などの心血虚の症状があるとき(神経衰弱など)に、阿膠に黄蓮・黄ごんなどで清熱鎮静効果を強めて、たとえば黄蓮阿膠湯を使用する。
- 肺燥による咳嗽に使用する。
- 痙攣発作・筋肉痙攣に用いる。血清中のカルシウム濃度を増加し、神経筋肉の過度の興奮性を低下することによって痙攣を止めると考えられる。
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用量 |
3〜15g。煎剤に用いるときは、残渣を除去した煎汁に溶かして服用する。 |
使用上の注意 |
阿膠はしつこくて消化されにくい。消化が悪く・胸や腹がつかえて脹る脾胃気虚のものが服用すると、嘔吐・下痢を生じやすいので使用するべきでない。 |
生薬画像 |
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