生薬名 |
烏梅(うばい) |
基 原 |
バラ科 Rosaceae 梅 Prunus mume Sieb. et Zncc.
(ウメ)の未成熟の果実を乾燥したもの(核をとりのぞいたもの)。 |
性 味 |
味は酸・渋、性は温。(帰経:肝・脾・肺・大腸経) |
主成分 |
citric acid ・ sitosterol ・ oleanolic acid
様の物質 |
薬理作用 |
斂肺・渋腸・生津・安蛔
去痰作用・鎮咳作用・消炎作用・止瀉作用・解熱作用・抗菌作用・抗真菌作用・抗アナフィラキシー作用 |
臨床応用 |
五味子とほぼ同様に用いる。ただし、止瀉・止血の効果は五味子よりすぐれている。
- 下痢に用いる。主として収斂作用によって下痢をとめるが、抗菌作用も関係があると考えられる。
烏梅は、慢性の下痢特に出血性下痢に適している。
- 健胃作用があるので、消化不良および胸や腹の脹満に用いる。
- 回虫症の腹痛に用いる。古人は、“虫は酸に会うとおとなしくなり、烏梅の味は酸渋であるから、回虫による腹痛に効果がある”としている。現代医学的には、烏梅の駆虫作用は証明されていないが、烏梅には腸管運動を抑制する作用があり、この作用によって腸管と総胆管の痙攣を解除して回虫が胆道から出るのを促すのかもしれない。
- 止血に用いる。
- 胼胝(たこ)・鶏眼(うおのめ)には烏梅膏を外用する。まず局部を湯でふやかしてけずりとり、そのあと薬を塗ってガーゼをあて包帯する。24時間毎に包交する。
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用量 |
3〜15g |
使用上の注意 |
- 熱証・表証があるときには用いてはならない。
- 烏梅は酸味があるので、胃酸過多には用いない方がよい。
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