生薬名 |
烏賊骨(うぞっこつ) |
基 原 |
コウイカ科 Sepiidae 烏イカ Sepia esculenta
Hoyle
(コウイカ)の骨状の内殻を日干ししたのち酥炙するか粉末にして用いる。 |
性 味 | 味は鹹、性は微温。(帰経:肝・腎経) |
主成分 |
炭酸カルシウム・燐酸カルシウム(80〜85%)・
chitin (6〜7%)・ニカワ質など |
薬理作用 |
収斂止血・固精止帯・制産・斂蒼
収斂作用・制酸作用・止血作用がある。 |
臨床応用 |
- 制酸・鎮痛に用いる。胃・十二指腸潰瘍に対する効果は確実で、含有する炭酸カルシウムが胃酸を中和して、呑酸・胸やけを軽減し疼痛を緩解する。また、食事療法を併用すると潰瘍の癒合を促進する。烏賊骨粉を単味で使用してもよいが、大量の炭酸カルシウムを含むので多量に服用すると便秘しやすい。
- 止血に用いる。主として泌尿生殖器系の出血に使用する。
- 止瀉に用いる。長期間続く脾虚の下痢で臍の周囲に疼痛のあるものに効果がある。ただし、やや大量を用い、他の止瀉薬を配合しなければならない。
- 外用薬として用いる。烏賊骨を塗った海綿は局所止血剤として効果がある。眼科領域にも用い、古人は烏賊骨と竜脳を粉末にして点眼し角膜混濁を治療した。現在では海ヒョウ蛸棒(烏賊骨を鉛筆のようにとがらせて煮沸消毒したもの)にトラコーマ治療薬を浸して眼瞼結膜をこすり、濾泡性トラコーマを治療する。作用がおだやかで根治することができ、また治療期間を短縮する。
|
用量 |
3〜12g |
使用上の注意 |
|