生薬名 |
牡丹皮(ぼたんぴ) |
基 原 |
神農本草経の中品に収載。ボタン科
Paeoniaceae 牡丹 Paeonia suffruticosa Andr.
(ボタン)の根皮を乾燥したもの。外側のコルク層を剥除したものを粉丹皮という。 |
性 味 |
味は苦・辛、性は微寒。(帰経:心・肝・腎経) |
主成分 |
paeonol C9H10O3
・ benzoic acid ・ phytosterol ・ tannin など |
薬理作用 |
清熱涼血・活血去オ
抗菌作用・降圧作用、paeonol
は動物の子宮粘膜を充血し、月経を発来する。 |
臨床応用 |
主として清肝瀉火と涼血去オ(消炎・降圧)に用いる。
- 発熱(午後にひどくなる)・盗汗・自汗・頭痛・目の充血・頬の紅潮・口乾・月経不順などの肝欝化火の症状(ある型の慢性肝炎・月経不順など)に使用する。
- 急性虫垂炎(腸癰)に、牡丹皮の清熱去オ(消炎)の効能を利用する。
- 肝欝化火の症状をともなう高血圧症・動脈硬化症(眼底の動脈硬化・血管痙攣・眼底出血なども含む)にも用いる。
- 陰虚の発熱に用いる。
- 熱証の出血に用いる。一般的な血熱妄行による鼻出血・吐血にも牡丹皮を用いるが、やいて炭にした方が止血効果が強まる。
- 打撲捻挫による内出血に用いる。
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用量 |
6〜9g |
使用上の注意 |
- 牡丹皮・桂枝はどちらも局所の血液循環を改善するが、牡丹皮は寒性であるから熱証に、桂枝は温性であるから寒証に適している。婦人科疾患には両者を同時に使用することがあり、これによって活血去オの効能が強められる。骨盤内炎症に用いる桂枝茯苓丸や月経不順に使用する温経湯はこの配合の例である。
- 脾胃虚寒による泥状便・月経過多には用いない。
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生薬画像 |
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