生薬名 |
蒲黄(ほおう) |
基 原 |
ガマ科 Typhaceae 寛葉香蒲 Typha latifolia L.
(ガマ)の成熟花粉を乾燥したもの。鮮黄色であるから蒲黄と名づけられた。 |
性 味 |
味は甘、性は平。(帰経:肝・心包経) |
主成分 |
sitosterol C27H46O
・ isorhamnetin C16H12O7
を含む |
薬理作用 |
収斂止血・活血去オ
止血作用・子宮収縮作用・利尿作用・抗結核作用 |
臨床応用 |
去オと止血に用いる。
- 産後に、悪露が下らない・下腹部痛などの血オの症状があるときに用いる。また、産後に子宮収縮不良で出血する場合にも用いる。以上に述べた去オと止血の状況での蒲黄の作用は、主として子宮収縮である。
- 血淋に対する常用薬である。膀胱炎や尿道炎による血尿・排尿困難・排尿痛に用いる。
- 慢性結腸炎による血便・膿血便・腹部の不快な痛みなどの症状には炒蒲黄を用いる。
このほか、膿瘍の腫脹と疼痛に、生蒲黄末に蜜糖を調合して外用すると効果がある。 |
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用量 |
5〜9g。細末を沖服するのがよい。煎剤に加えるときは包煎する。 |
使用上の注意 |
- 活血去オには生で用い、収斂止血には炒って用いる。ただし、生でも止血作用がある。一般には生を用いることが多く、出血にオ血をともなう場合には生・炒各半量ずつを用いる。
- 実証の出血に適している。
- 子宮を収縮させるので、妊婦には禁忌である。
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