生薬名 |
霍香(かっこう) |
基 原 |
シソ科 Labiatae 霍香 Agastache rugosa (Fisch.
et Mey.)O. Ktze.
(カワミドリ)の全草(広東では広霍香を用いる)。茎枝を霍香梗という。 |
性 味 |
味は辛、性は微温。(帰経:脾・胃・肺経) |
主成分 |
葉と茎は、methyl-chavicol C10H12O
などからなる精油・ tannin
・苦味質などを含んでいる。 |
薬理作用 |
化湿和中・解暑・解表
制吐作用・健胃作用・解熱作用・抗真菌作用。毛細血管拡張作用。 |
臨床応用 |
夏期の暑湿(長期にわたる微熱・四肢がだるい・食欲不振・腹が脹る・胸苦しい・悪心・嘔吐・泥状便・水様便・尿が濃く少なくない・舌苔が厚膩などの、胃腸症状をともなう発熱性疾患。)に対する常用薬である。
- 夏期の胃腸症状をともなう感冒(頭痛・腹痛・嘔吐・下痢など)には、半夏つ紫蘇葉を配合して鎮嘔し・厚朴で下痢をとめ・ビャクシで解表し、たとえば霍香正気丸を用いる。
- 急性胃炎に使用する。生もの・冷たいもの・不潔な食物などを飲食したことにより上腹部が脹って苦しい・発熱・疲労感・嘔吐・下痢・口臭・舌苔厚膩・脈軟緩などの症状が生じたときに適している。陳皮・厚朴・蒼朮を配合して理気去湿の効能を強め、たとえば霍香正気丸を用いる。
- 熱射病・日射病(中暑)で発熱・煩渇・悪心・嘔吐などの症状があるときには、霍香(鮮霍香はの方がよい)に連翹・半夏を配合して清暑散熱止吐し、たとえば霍香連翹飲を用いる。
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用量 |
6〜15g |
使用上の注意 |
- 霍香・紫蘇葉・芦根にはいずれも鎮嘔作用があるが、霍香は健胃止嘔・紫蘇葉は発汗解表の力が強く、芦根は胃熱(口が苦い・口乾・口臭・舌湿が紅・舌苔が黄色でザラザラしている・脈は滑数などの症状。)による嘔吐に効果がある。
- 霍香葉は発散の力が強く、霍香梗は制吐の力が強い。
- 陰虚火旺・胃熱による嘔吐には使用しない。
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