生薬名 |
荊芥(けいがい) |
基 原 |
シソ科 Labiatae 荊芥 Schizonepeta tenuifolia
Briq. (ケイガイ)の花穂をつけた茎枝あるいは花穂(荊芥穂)。黒く炒ったものを黒荊芥あるいは炭荊芥という。 |
性 味 |
味は辛、性は微温。(帰経:肺・肝経) |
主成分 |
精油を含む。その中主なものは l
-menthol ・ dl -menthol と少量の d -limonene
である。 |
薬理作用 |
虚風解表・止血
発汗・解熱作用、消炎作用、止血作用、抗菌作用 |
臨床応用 |
伝統的な経験によると、風病・血病・産後の主要薬であるとされている。
- 外感に用いる。特徴的なことは、荊芥は辛温であるが、温であっても燥の性質はなく、辛涼解表薬に配合すると疏散風熱の作用を増強することである。それゆえ、発熱・頭痛・鼻閉・咽喉痛・結膜炎などの風熱症状(感冒・インフルエンザの初期)に適用する。
- 咽喉炎・扁桃腺炎に用いる。古人は経験的に“咽痛には必ず荊芥を用いる”としているが、現在も咽喉炎・扁桃腺炎に対する方剤には必ず荊芥を使用している。
- 出血に用いる。荊芥炭を用いるが、他の止血薬を配合する必要がある。
- 産後の出血過多あるいは血液循環機能の障害のために起こった眩暈発作(血暈)には荊芥穂を用いる。荊芥穂の粉末6gを沖服するか、症状によって他の薬物を配合して煎服する。
- 透疹・止痒に用いる。蕁麻疹・風疹・麻疹に使用すると、斑疹の発散と消退を速め痒みを止める。
〔附〕荊芥穂の効能は荊芥と同じであるが、作用は強い。血暈に対する主薬である。荊芥と紫蘇葉はどちらも発汗解表作用があるが、紫蘇葉は散寒の力が強く・理気寛中する。荊芥は虚風の力が強く、炒炭は止血の効能がある。それゆえ、理気剤には紫蘇葉を理血剤には荊芥を用いる。
|
|
用量 |
3〜9g |
生薬画像 |
|