生薬名 |
胡桃肉(ことうにく) |
基 原 |
クルミ科 Juglandaceae 胡桃 Juglans regia L.
種子の仁を乾燥したもの |
性 味 |
味は甘、性は温。(帰経:肺・腎経) |
主成分 |
linoleic acid
を種とする脂肪油を40〜50%含み、他のタンパク質・ビタミン類を含む |
薬理作用 |
温肺潤腸・補気養血
利尿・通便・鎮咳・滋養強壮の作用があり、含有成分からみて高い栄養価がある。 |
臨床応用 |
老人・虚弱者に対する滋養補益
- 腎虚の喘息・咳嗽(慢性喘息性気管支炎など)に用いる。胡桃肉を毎日1〜2個ずつ1〜2ヶ月間連続して食べて効果があるとしている。
- 腎陽虚による腰痛・下肢無力に、補腎葉を配合して使用する。
このほか腎結石の腰痛に、腎結石に対する方剤の中に胡桃肉を加えて使用する。古人は消堅去オするとしているが、実際は利尿と補養の作用であると考えられる。
- 老人の気虚の便秘(習慣性便秘)には、生胡桃肉4〜5個を少量の蜂蜜とまぜて就寝前に服用すると効果がある。
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用量 |
6〜30g |
使用上の注意 |
- 熱証の咳・泥状便あるいは下痢には使用すべきでない。
- 習慣的に、胡桃肉は濃い茶で服用すべきでないとされている。
- 古人の経験では、補血に使用するときは皮を除き、止喘には皮付きがよいとしている。薄皮には渋味があって斂肺定喘(呼吸機能を調整して呼吸困難を軽減する。)の力がかなり強いので、皮のまま服用するのがよい。渋味を弱めるには少量の黒砂糖か大棗と一緒に服用するとよい。
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