生薬名 |
枸杞子(くこし) |
基 原 |
神農本草経の上品に収載。ナス科 Solanaceae
枸杞 Lycium chinense Mill.
(クコ)の成熟した果実を乾燥したもの。 |
性 味 |
味は甘、性は平(帰経:肝・腎経) |
主成分 |
betaine C5H11O2N。ほかにビタミンA・B1・B2・C、カルシウム・リン・鉄・色素の
zeaxanthin C40H56O2
など。果皮には physalein C72H116O4
が含まれる。 |
薬理作用 |
補肝腎・生精血・明目
滋養・強壮の作用は含有する栄養成分と関係がある。実験によると、肝細胞内の脂肪沈着を抑制し、肝細胞の新生を促進する作用がある。 |
臨床応用 |
肝腎を平補(陰陽にかたよらず両者を補益すること)するための常用薬である。寒性でも熱性でもないので、陰虚・陽虚のどちらに使用してもよいが、陰虚の方によく用いる。
- 肝疾患に使用する。
実験によると、肝疾患には一種の肝庇護薬として働くようである。常時服用しても一般に副作用はないが、炎症症状が強い疾患に投与すると熱象(炎症)がひどくなるので、適当に清涼薬を加える方がよい。
- 一般的な腎虚に用いる。
- 眼科に用いる。
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用量 |
6〜18g |
使用上の注意 |
枸杞子の補益力はトウシツリよりも強い。平補するが、内熱があるときには使用しない方がよい。 |