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生薬名・・・・麻黄 まおう

 

生薬名 麻黄(まおう)
基 原 神農本草経の中品に収載。マオウ科 Ephedraceae 草麻黄 Ephedra sinica Stapf (シナマオウ)などの緑色若枝を乾燥したもの
性 味 味は辛・微苦、性は温。(帰経:肺・膀胱経)
主成分 ephedrine C10H15ON ・ pseudo-ephedrine C10H15ON ・精油 (1-α-terpineol を含む)など
薬理作用 発汗解表・宣肺平喘・利水
発汗作用・解熱作用・気管支痙攣の解除作用・利尿作用・昇圧作用・抗ウイルス作用
臨床応用 主として平喘と外感風寒の治療に用いる。
  1. 平喘・鎮咳に用いる。一般に杏仁を配合して平喘作用を増強する必要がある。肺熱による呼吸困難や咳嗽(肺炎・急性気管支炎など)には、石膏などの清熱薬を加味する。肺寒(咳嗽・痰が多い。透明な痰・舌苔が白膩・悪寒などの症状。)による呼吸困難や咳嗽(気管支喘息・慢性気管支炎など)に用いる。
    麻黄には平喘作用があるが、長期間連続して使用すると効力が激減するので、一般に慢性の呼吸困難・咳嗽には長期間使用せず、間歇的に使用すべきである。麻黄には大脳皮質に対する興奮作用があり、多量に使用すると過度の興奮のため不眠になるので、少量から用いて次第に適量を決めるようにする。蜜炙麻黄は副作用が比較的少ない。
  2. 外感風寒(感冒・インフルエンザの初期など)に用いる。冬期の外感病で、脈は浮緊・頭痛・筋肉が緊張して身体が痛むなどの症状がある表寒証に最も適している。春・夏・秋の外感風寒にも用いてよい。ただし汗が出ているものに用いると発汗過多になるので、使用すべきでない。
    麻黄に桂枝を配合すると、発汗作用がさらに増強し、風寒を解散させる力が強くなる。
  3. 水腫に用いる。発汗・利尿の作用によって水腫を軽減する。一般に白朮を配合して用いる。
  4. 風湿による関節痛に用いる。
用量 常用量1.5〜9g、一般に5〜6gを用いる。虚弱者には2〜5gでよい。体力のあるものの発汗・平喘には9〜12g、風湿による関節痛に対してはやや大量を用いる。
使用上の注意 高血圧のときには使用しない方がよいので、解表するときには紫蘇葉で、風湿による関節痛には鹿蹄草で代用する。
生薬画像