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生薬名・・・・木瓜 もっか

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生薬名 木瓜(もっか)
基 原 バラ科 Rosaceae 貼梗海棠 Chaenomeles lagenaria koidz. (ボケ)の成熟果実を乾燥したもの。(注意:華南で食用にする果実の木瓜(パパイヤ)とは異なる)。このほかカリン C. sinensis (Thovin) Koehne も用いる。
性 味 味は酸、性は温。(帰経:肝・脾経)
主成分 saponin ・ malic acid ・酒石酸・ limonic acid ・ビタミンC・ tannin など
薬理作用 舒筋活絡・和胃化湿
鎮痙作用・抗利尿作用
臨床応用 湿邪による筋疾患に対する常用薬である。
  1. 下痢にともなう筋肉痙攣に使用する。飲食不節制による夏期の胃腸感染症(暑湿)で、はげしい嘔吐・下痢に下腿腓腹筋痙攣をともなうとき(古人はこれを霍乱転筋といった)に使用する。霍乱転筋とは、現代医学的には以下のような機序によるものと考えられる。急性胃腸炎によるはげしい嘔吐のために塩化物の排出が過多となり、体内の電解質平衡が失調してアルカローシスが生じた結果、手足の強直性痙攣が発生する。同時に、はげしい下痢にともなって腸管のカルシウムを含む分泌液が過度に排出され、低カルシウム血症が生じることも原因である。木瓜が筋肉痙攣(転筋)に効果があるのは、鎮痙作用も備えているためと考えられる。
    貧血や血虚による筋肉の痙攣にも使用する。
  2. 風湿による下肢の筋無力・腰や膝の運動麻痺、関節痛に使用する。慢性関節リウマチに適しているが、急性期には使用してはならない。風湿に用いる薬酒は、酒の温通(血液循環促進)の効能を利用して鎮痛・消炎・腫脹消退の効果を強めている。発赤腫脹がある関節炎で、血液循環が悪いとき(ただし心疾患のないもの)は、薬酒を飲用するのがよい。ただし、心疾患・肝疾患・高血圧・発熱を合併しているとき、陰虚火旺のもの、飲酒の習慣がないものなどは薬酒を飲用してはならない。
  3. 寒湿による腹痛・下痢に用いる。
用量 5〜9g
使用上の注意 欝熱(舌・脈・尿などで熱象の存在はわかるが、体表からは感知できない状態。体表からの熱の放散が妨げられている状態で、中医学では熱が体内にとじこめられていると考えている。)があって尿が濃いときは使用すべきでない。木瓜には抗利尿作用があるので服用すると尿量が減少するからである。