生薬名 |
來服子(らいふくし) |
基 原 |
アブラナ科 Cruciferae 來服 Rophanus sativus
L. (ダイコン)の成熟種子を乾燥したもの |
性 味 |
味は辛・甘、性は平。(帰経:胃・肺経) |
主成分 |
脂肪油・ α- ・β-hexylaldehyde ・ methylmercaptan
などを含む精油 |
薬理作用 |
消食化痰・行気定喘
健胃・去痰作用がある。 |
臨床応用 |
- 食滞で、腹が脹る・腹鳴・曖気・呑酸・下痢・裏急後重などの症状があるときに適している。
近年、中西医結合による急性腹症の治療で、來服子の破気・導滞の効能を利用して大承気湯の消導効果を強めている。
- 慢性喘息性気管支炎などで、咳嗽・痰が多い・呼吸困難などの症状があるときに用い、來服子の去痰降気の効能によって咳嗽・呼吸困難を軽減する。
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用量 |
3〜9g |
使用上の注意 |
- 降気・消食に用いるときは炒用し、化痰・定喘に用いるときは生で用いる。一般に、生・炒を半々用いる。
- 破気の効能が強いので長期間服用するときは黄耆・白朮を少々配合して調整補益する必要がある。
- 古人のなかには人参・党参を服用するときは來服子を使用してはならないという人があるが、実際には配合禁忌ではなく、一緒に用いてもひどい反応が生じることはない。ただし、人参・党参は補気薬で來服子は破気薬であるから、体質が虚弱なものが人参・党参を服用したうえに來服子も服用すると、せっかくの補気の効能が相殺されてなくなってしまう恐れがある。
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