生薬名 |
川弓(せんきゅう) |
基 原 |
セリ科 Umbelliferae 川弓 Ligusticum wallichii
French. の根茎を乾燥したもの |
性 味 |
味は辛、性は温。(帰経:肝・胆・心包経) |
主成分 |
alkaloid ・ ferulic acid C10H10O4
・精油・一種の結晶性中性物質 C24H46O4 |
薬理作用 |
活血行気・去風止痛
鎮痙作用、鎮静作用、降圧作用、血管拡張作用、抗菌・抗真菌作用 |
臨床応用 |
- 頭痛に用いる。古人は経験的に、“頭痛には必ず川弓を使用する”といっているが、実際は川弓の性味は辛散で去風の力が強いので、主として風寒感冒の頭痛や風湿による偏頭痛に有効である。あらゆる頭痛に適用するわけではない。
このほか、肝気欝結によるオ血頭痛(神経症などで、自律神経の失調により頭部の血管の収縮・拡張が障害されたときに見られる)にも川弓を使用する。
また、産後の血虚による軽度の頭痛にも用いる。
高血圧症・肝陽上亢・肝火上炎(顔面紅潮・顔がほてる・口が苦い・目の充血・耳鳴りなど)、重症の血虚による頭痛などには、川弓を使用すると眩暈を生じることがあるので、白疾黎で代用した方がよい。
- 月経不順に使用する。月経痛・稀発月経・過少月経・無月経などで、口唇の色が淡白・顔面蒼白・下腹部痛などの血虚の症状があるときには、川弓を使用して活血・鎮痛し、他の養血薬を配合する。
- 風湿・気滞による血管閉塞・筋肉に対する血液の栄養障害などによって生じた四肢による麻痺・筋リウマチ・慢性関節リウマチなどによる疼痛・しびれ・痙攣などに、川弓を他の去風養血薬とともに使用する。
このほか、蕁麻疹・湿疹などでは、血流を促進して他の薬の作用を助長する(いわゆる載薬上行)のでよく配合される。用量は少ない方がよい。
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用量 |
少量を用いるのがよく、大量では嘔吐・眩暈などをおこしやすい。常用量は1〜6gで、通常3〜5g。月経不順には6〜9g。蕁麻疹・湿疹に引経薬として使用するときは3g以下。 |
使用上の注意 |
- 過多月経・出血性疾患・陰虚火旺には使用すべきではない。
- 四物湯で行血養血する必要があるが、川弓の辛散の性質が障害になる場合には丹参で代用する。
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生薬画像 |
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