生薬名 |
川れん子(せんれんし) |
基 原 |
センダン科 Meliaceae 川れん Melia toosendan
Sieb. et Zucc.
(トウセンダン)の成熟した果実を乾燥したもの |
性 味 |
味は苦、性は寒。(帰経:肝・心包・小腸・膀胱経) |
主成分 |
酢酸・ caproic acid などの揮発性脂肪酸 |
薬理作用 |
理気止痛・殺虫
鎮痛作用・駆虫作用・抗真菌作用 |
臨床応用 |
熱象を呈する腹痛に常用する。鎮痛効果は強い。
- 肝気欝結による腹痛・脇痛で肝火旺をともなうときに用いる。脹った痛み・重苦しい痛み・間歇性の疼痛が肝気欝結の痛みの特徴で、これに焦躁感・睡眠障害・食欲不振・舌質が深紅・脈は弦数などの肝火旺の症状をともなう。慢性肝炎でよく見られる。とくに肝臓部の疼痛・疼痛部位に熱感があるときに適し、川れん子で疏肝清熱・解欝止痛する。疏肝和胃の方剤に川れん子を入れて用いてもよい。肝気欝結による脇痛には、川れん子の方が青皮よりも効果が強い。
- 疝痛に用いる。陰嚢水腫・副睾丸炎・小腸ヘルニアなどによる局部の疼痛・臍部への放散痛などの症状(寒疝)に用いる。
- 寄生虫による腹痛に用いる。主として鎮痛作用を利用するが、殺虫作用が弱いので、他の駆虫薬を配合する必要がある。
- 頭部白癬に用いる。川れん子を黄色くなるまであぶって粉末とし、等量の豚脂とまぜた軟膏を患部に塗布する。川れん子は頭髪の毛根をゆるめ白癬菌を抑制するので効果がある。
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用量 |
5〜12g。多量に使用してはならない。 |
使用上の注意 |
川れん子は軟便を来すので、脾胃虚寒で泥状便のものには使用しない。 |